どうしても境内に入れなかった初詣
これは、神社で少し不思議な体験をした話。
3年前のお正月に、赤坂の日枝神社へ初詣に行った時のこと。
鳥居の下まで行くと、何故か急に右脇腹が痛くなり、どうしても境内に入れなかった。
痛みが治まるまで階段の辺りで休憩して、もう大丈夫かなと鳥居に近づくと、また脇腹が痛くなり、そこから前に歩けなくなる。
後ろに下がることは出来るのに…。
さすがに神様に嫌われている気がして、その日の初詣は諦めた。
お天気が良く、ポカポカで暖かくて風もない、絶好の初詣日和だったのに。
それからちょうど2か月後の3月の初め、突然の吐き気と脇腹の痛みで気を失いそうになり、深夜に救急車を呼んだ。
結果、右卵巣嚢腫系捻転。※卵巣嚢腫系捻転=卵巣にできものが出来て卵巣が根元からねじれてしまった状態
実は、その前の年の秋頃から体調が悪くて、あちこちの病院で検査していた。
もちろん婦人科にも行ったけれど、「更年期でしょう」と言われて、漢方薬などを飲んでいただけだった。
後で調べてみたところ、日枝神社は女の神様のようで、お腹に16センチの卵巣嚢腫を抱えた私に“何かを教えてくれようとしたのかも”と思った。
そのヒントが自分には全くわからず、結局は緊急手術になってしまったけれど…。
退院して落ち着いてから、もう一度お礼も兼ねて参拝に行ってみた。
今度は鳥居の前でお腹が痛くなることもなく、普通にお参りすることができた。
(終)