住み込みのバイトで体験した話
実体験です。
3年前、
スキー場に隣接するホテルで
アルバイトしてた時の話です。
そのホテルの寮に入り、
1シーズン過ごしたんですが。
俺に与えられた部屋は
角部屋で、
一番遅く入寮したせいか、
一人部屋でした。
特に気持ち悪いとかの
印象はなく、
ただカーテンが無いのが
気になった程度でした。
1ヶ月ほど経ち、
仕事にも慣れてきた頃、
金縛りに遭いました。
疲れていたのだろうと思い、
気にせず翌日からも仕事をしていました。
しかし一週間後、
再び金縛りに。
さすがに気持ち悪くなって、
バイト連中に話したのですが・・・。
疲れてるんだろと言われるだけで、
相手にもしてくれませんでした。
そうなのかもなと思い直し、
さらに一週間後。
今度は、例のカーテンの無い窓を、
バンバンと叩く手が見えました。
そしてまた一週間が経ち、
その日はもう怖くて、
布団の中で眠れずに過ごしていました。
何時だろと時計を見ようとした時、
突然ドアがドンドンと乱暴に叩かれます。
どこから聞こえてくるのか
分かりませんが、
「俺の部屋だ、開けろ!!」
と、ハッキリ聞こえました。
耐え切れず布団を被っていると、
いつのまにか朝になっていました。
ドアを叩く音は隣の部屋だった人にも
聞こえていたようですが、
声は聞こえなかったそうです。
その後、
そのような体験はなく、
シーズン終了前日の
お別れパーティーで、
古くからいるホテルの
正社員の方が俺にそっと、
「あの部屋なんともなかった?」
と、聞かれました。
詳しく聞く勇気がなかったのですが、
その部屋に何かあるのは
間違いないと確信しました。
結局、その日は部屋に戻る気になれず、
朝まで飲みました。
(終)