常駐警備者が早退したワケ
これは、ある小さな美術館の
常駐警備者からの報告。
季節はまさに今頃(夏)、
ちょっと気になる警備報告書。
・Aさんの報告書
異常なく業務終了。
・Bさんの報告書
体調不良で早退。
詳細は口頭で報告します。
信用問題に関わる様な
事があったのに、
管制に報告が無いのは、
大問題。
Bさんを会社に呼び、
詳細を問い詰めてみた。
その時、
彼は防災センターで
警備報告書を用意していたそうだ。
チラっと駐車場の防犯カメラに、
何か映った気がした。
見ると、カメラの1つに
人影が映っている。
車上泥棒?
何にせよ、
敷地への不法侵入。
人影は、停まっている
職員の車そっちのけで、
カメラを気にしているように
見えたそうだ。
すぐに無線で、
館外巡回中のAさんに指示。
今や人影は、
異常なまでにカメラに顔を近づける。
まるで、防災センターを
覗き込もうとするかのように、
目をカメラに押し付けている・・・。
そこに、Aさんからの
無線が入った。
「え~駐車場人影ありません。
何番カメラでしょうか?どうぞ」
異常な映像が映し出されてるのは、
3番カメラ。
しかし、
3番カメラが映る4番には、
困惑するAさんしか映っていない。
BさんはAさんに体調不良を伝え、
早退を決めたそうだ。
(終)