心霊スポット初体験で廃病院へ

この話は、

 

心霊スポット初体験の俺と

霊感のある友人A、

 

場慣れしている友人B

の三人で、

 

とある廃病院へ

行った時の話です。

 

東京八王子市の山奥にある

廃病院に車を止めて降りると・・・

 

長い上り坂を歩いて、

 

ボロボロになっている

フェンスを潜ったら、

 

すぐに廃病院でした。

 

当然、外灯など

あるはずもなく、

 

明かりと言えば、

 

三人の持っている

懐中電灯のみ。

 

玄関と思われる入り口から

入ろうと思いましたが、

 

心霊スポット初体験の俺は

怖くなり、

 

「いきなりかよ?!」

 

と少々弱気になっていました。

 

「じゃあ、建物の周りを

歩いてから入るか?

 

まず慣れるところからだな」

 

友人AとBは、

からかう様に笑いながら、

 

しばらく建物の周りを

一緒に歩いてくれました。

 

間もなくして、

 

Aの様子が明らかに

変になってきたので、

 

心配そうに声を掛けると、

 

「だいぶきてるね」

 

と、かなり恐ろしい事を

口にしていたので、

 

正直怖すぎて

言葉を失いました。

 

黙々と歩いていると突然、

 

『上を見てごらんよ』

 

と言われたので、

 

俺は思わず懐中電灯を

建物の三階部分の、

 

ある一枚の窓へと

光を向けました。

 

窓ガラスに光が反射

しているのですが・・・

 

どうも女性の顔の様なものが

見えて仕方ありません。

 

友人AとBへ、

 

アイコンタクトを交わすように

顔を合わせると頷いて、

 

「あぁ・・・見えるよな」

 

しかも、白い手のような

ものが見えて、

 

さらに、手招きしている

ようにも見えます。

 

「行ってみるか」

 

とんでもない事を言うB。

 

「今日は止めておいた方がいい」

 

最もな事を言うA。

 

一瞬だけどうしようかと

話し合っていましたが、

 

その刹那、

 

「ガシャーン!」

 

と、突然凄い物音が

廃病院内で響きました。

 

まるで、ガラスが床に落ちて

盛大に割れたような音・・・。

 

この音を聞くな否や、

 

俺達は逃げるように

廃病院を後にしました。

 

そして一週間後、

 

また三人で集まる

機会があった時に、

 

廃病院の話題になりました。

 

A「最後に聞こえた、あの音・・・。

心臓に悪かったな」

 

B「あんなの物音に過ぎないだろ?

それより窓に映った女性だよ」

 

「あぁ、上を見てと言われて

懐中電灯照らしたあの窓?」

 

B「そうそう、さすがAだよな。

霊感ある奴は気の毒だよ」

 

A「はぁ?俺言ってねぇよ」

 

B「じゃあ、お前?」

 

「いや、俺じゃないし」

 

A「じゃ・・・誰だよ・・・」

 

その後、三人とも、

上を見てごらんよなんて、

 

口にしていない事が

分かりました。

 

元より、三人が同じように

 

三階のとある窓へ懐中電灯を

向ける偶然なんてありえません。

 

その声が女性の様な気がした事、

誘われていた様な気がした事は、

 

今となっては謎のままです。

 

(終)

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