ポストに入っていた古ぼけた手紙 2/3
・・・ここはどこだろう
耳を澄まして・・・みます
そうか・・・
ここ・・は・・・地下・・鉄?
体に感じる・・
ガタンゴトンという・・
特有の・・感覚と・・・
・・トンネルの・・中と
わかる騒音・・・
そうだと・・わかりました・・・。
・・・お母さんとも
・・よく買い物に行く時に・・・
一緒に乗りましたね・・・
・・でも・・おかしい・・・
私は・・眠っていた・・・の?
・・いつ・・・地下鉄に
乗ったの・・だろう・・?
・・・具合が・・悪くて気を・・
失って・・しまった・・の?
・・・何が・・どうなって・・
いるのか・・わかりません・・・
・・耳を澄まして・・
周りを見てみると・・・
人の気配や・・電車の揺れる
・・音が聞こえる・・・のですが
・・・何かが・・
おかしい・・です・・・
周りにはたしかに・・
人がいる・・のですが・・・
顔が見えないのです・・・
・・勇気をだして・・
声を出して・・みました・・が
・・だれも返事を・・して
くれま・・せん・・・
たしかに・・
電車に・・乗って・・
地下鉄を・・進んでいる
・・のに・・
何が・・どうな・・って・・
いるのか・・わからない・・・
・・そうだ・・今何時・・
だろう・・と思い
・・・時計で時間を・・
確認しようと・・しても・・
時計をしていないのに・・
気づき・・ました・・・
なにか大事な・・用事が
あったような・・気がします・・
誰か・・いませんか・・・
・・気配は感じる・・のに・・
あいかわらず・・だれも
答えてくれません・・・
・・・体の具合が・・
悪いのだろうか・・・
漠然と・・そう思いながらも・・・
さらに・・何か・・おかしい事に・・
・・・気づきました・・・
いつまで・・たっても・・・
駅に着く気配が・・・
ないの・・です・・・
声を出してだれか・・の
反応を・・待っても・・
だれも・・答えてくれません・・・
目をつむって・・・いると
・・ふと・・視界が明るく・・・
なっていく・・・感覚・・
になり・・ました・・
・・・やっと・・私が・・降りる駅に・・・
着いたみたい・・・です・・
駅名の・・・標識を
・・見ても・・・
目に見えなくても・・・
はっきりと・・感じとること・・が
・・できま・・す
電車は・・停車し・・・
・・ドアが・・開き・・
私は降りようと・・・
立ち上がろうと・・しました・・・が
・・・・足が・・動きません・・・
必死に・・動かそうと
してました・・が
・・だめ・・・でした・・・
・・・まぁ・・いい・・か・・
次の・・駅で・・・降りて・・
折り返せば・・いいんだ・・・
と思い・・ながらも
・・長い・・長い・・
次の駅までの・・・
時間・・を過ごす・・・
・・ことにしました・・・
でも・・だめなん・・です・・・
いくら駅に・・着こうにも・・・
立ち上がることが・・
できないの・・です・・・
・・・何時間・・・
いや・・何十・・時間・・・何日・・・
過ぎたで・・しょうか・・・
・・漠然と・・私は・・
理解・・・しまし・・た・・・
私・・・は・・・死んで
・・いるん・・・だ・・
・・・そう・・だ・・
手下げバック・・・に
・・便箋と鉛筆が・・入っている・・・
こに気が・・・つき・・ました・・
・・・わたしは・・もう・・
戻れない・・・のでしょう・・・
なので・・・手紙を書く
・・ことに・・しまし・・た・・・
・・・駅に・・停車したら・・・
ドアの外に・・向かって・・
便箋に入れた・・この
・・手紙を・・・投げれば・・
・・誰か・・・ポストに・・入れて・・・
くれるかも・・・しれません・・
なので・・・切手も・・貼って
・・おきます・・ね・・・
・・・お母さん・・お元気で・・・
お父さんも・・ね・・・
スケジュール・・帳に・・
七時・・駅前・・大橋さん・・・
・・・そう・・だ・・
思い出した・・・
・・私は・・婚約者の・・大橋・・さんと・・・
待ち合わせ・・していたの・・ね・・・
・・でも・・もう・・・遅いみたい
切手は・・・一枚・・しかないので・・
大橋・・さんにも・・よろしく・・ね・・・
・・・さよう・・なら・・・