レンタルビデオ屋で借りた妙なビデオ

ビデオテープ

 

一郎はビデオを借りようと、

レンタルビデオ屋に居た。

 

特に目新しい物は無く、

 

何も借りずに

店を出ようとした。

 

が、あるビデオが

一郎の目に止まった。

 

『ノコギリ』

 

カバーの無い

剥き出しのテープに、

 

タイトルが書いてあるラベルが

貼ってあるだけだ。

 

それも、手書きである。

 

一郎はその妙なビデオに

興味を持ち、

 

借りてみる事にした。

 

家に帰り、ビデオデッキに

テープを入れる。

 

・・・始まった。

 

何の前触れもなく始まる。

 

ノコギリを持った男が、

林の中を走っている。

 

ボロボロの服を着て、

右手にノコギリ。

 

そして無表情だ。

 

走る。

 

ただ走る。

 

・・・10分、

・・・20分、

 

・・・30分。

 

場面は変わらず、

 

ノコギリを持った男が

無表情に走っているだけだ。

 

一郎は退屈になり、

ビデオを止めようとした。

 

が、突然、

場面が変わった。

 

林を抜け、今度は

町の中を走っている。

 

そして住宅街に入り、

 

ある一軒の家の前で

立ち止まった。

 

そして、

 

ノコギリを持った男は

家の門柱を切り始めた。

 

凄まじいスピードで。

 

恍惚の表情で。

 

一郎は暫くビデオを

見ていた。

 

が、何かを感じた。

 

・・・既視感。(デジャヴ)

 

そして気づく。

 

「これは俺の家だ!」

 

一郎は窓から外を見た。

 

居る!

 

ビデオと同じだ。

 

ノコギリを持った男が、

門柱をノコギリで切っている。

 

恍惚の表情で。

 

一郎は止める様、

 

ノコギリを持った男に

向かって叫んだ。

 

が、ノコギリを持った男に

止める様子はない。

 

一郎は考えた。

 

ビデオを止めれば

良いのではないか?

 

・・・と。

 

ビデオデッキの

停止ボタンを押す。

 

そして外を見る。

 

ノコギリを持った男は

消えていた。

 

外に出て、門柱を見る。

 

半分ほど切られている。

 

門柱の側には、

ノコギリが落ちていた。

 

今でもそのノコギリは

大事に保管してある。

 

(終)

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