覚えてないのなら良いんですよ
一人暮らしをしようと思って物件巡りをしていた時、とある物件の管理人さんと何処かで会ったような気がしていた。
色んな物件を回ったが、デジャヴを感じた管理人さんのアパートが一番条件が良く、そこに決めた。
そして一人暮らしを始めてから数日後、私がその管理人さんに夕飯をご馳走する夢を見た。
管理人さんは何者!?
翌朝、外出時に駐車場の掃除をしている管理人さんに会い、「昨日の夜はどうも」と言われた。
だが、昨日の夜は夢以外で管理人さんに会った事も何かした記憶もない為、「昨夜何かありましたか?」と聞いてみた。
しかし、管理人さんは意味深に微笑んで、「覚えてないのなら良いんですよ」と言うだけだった。
その後しばらくそういった事は全くなかったのだが、先日久しぶりに管理人さんが夢に現れ、管理人さんの探し物を一緒に探して無事発見するという夢を見た。
すると、やっぱり翌日に管理人さんから、「昨日はありがとうございました。おかげで助かりました」と言われた。
「何の事ですか?」と聞いてみても、管理人さんは微笑んでいるだけで何も言わない。
なので、「実は昨日、夢で管理人さんの探し物を~。それで今お礼を言われたのでびっくりしました」と話してみたが、やっぱり穏やかに微笑んでいるだけだった。
これってそういう事でいいのだろうか・・・。
というより、この管理人さんは何者なんだ?
ちなみに、管理人さんの年齢はよく分からないが、白髪頭のおばあちゃんだ。
テキパキするタイプでもおしゃべり屋さんでもなく、ゆったりと行動するような感じの人で、いつも微笑んでいる物腰の柔らかい温和な人。
宗教に入っているとか、普段怪しい素振りがあるという訳でもなく、霊感云々の話も聞いた事は特にない。
(終)