毎年恒例、男だけの聖夜のドライブにて

目

 

去年のクリスマスの話です。

 

毎年この日になると、

 

彼女のいない男数人が集まって

ドライブに行っていました。

 

しかし去年の12月24日は、

幼馴染のYしか連絡が取れませんでした。

 

聖夜に男二人でドライブというのも

余計に寂しくなりそうですが、

 

何だよ~なんて愚痴を言いながらも

山の方へと車を走らせていました。

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男二人して車を捨てて逃げる事態に・・・

すると・・・

真っ暗な路肩に女の人が立っている。

 

私の地元は相当な田舎なので、

山道は舗装されても街灯なんてありません。

 

今考えれば明らかに不審なのですが、

 

事故にでも遭わないかと心配になって

私たちの車に乗せたのです。

 

その女性は随分と元気が無い様で、

 

私たちが色々と質問をしても

ほとんど何も答えてくれず、

 

ずっと窓の外ばかりを見ていました。

 

いい加減無視されるのにも飽き出し、

車内が気まずい空気になった時・・・

 

突然「止めて!」と女性が叫びました。

 

驚いて急ブレーキを踏むと、

路肩にまた他の女性が立っているのです。

 

まだ街までは相当距離がある山道の半ば。

 

「一体どうなっているんだ・・・」

 

助手席の私が車を降りたが、

その女性に近づくと何かおかしい。

 

その異変に気づいたのは、

 

女性まであと一歩の距離まで

近づいた時でした。

 

下世話ですが、

 

その女性がどんな顔をしているのか

気になって下から覗き込むと、

 

なんと眼球全体が真っ黒だったのです。

 

私は声にならない悲鳴を上げながら

急いで車に戻ると、

 

事情の掴めない友人に対して

無理矢理に車を出させました。

 

そのままスピードを上げて街に向かう車内・・・

 

私は今起きたことを話すと、

それまで黙っていた女性が言いました。

 

「それって・・・こんな顔?」

 

振り向くとそこには、

真っ黒な眼球で私たちを見つめる顔が。

 

Yと私はそのまま車を捨てて、

山道を駆け下りました。

 

翌朝、車を取りに山道へ戻りましたが、

何故か車内はズブ濡れでした。

 

あの女性たちは一体何者だったのか・・・

 

(終)

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