稲荷祭り後に体験した不可解な出来事

稲荷祭り

 

未だに不可解な体験談をお話します。

 

私が中学生の頃、友達と一緒に近所の稲荷祭りに出かけました。

 

小さい境内に似合わず人もたくさん来る賑やかなお祭りで、準備はもちろん出店もほとんど近所の人達でやっています。

 

なので、最後には誰かしら一緒に帰ってくれる人がいるので少しくらい帰りが遅くなっても大丈夫で、私は毎年遅くまで居座っていました。

 

その年も、夜9時くらいにお祭りが終わり、近所に住む友達と一緒に後片付けを手伝っていたのですが、最後に残った生地でお好みを焼いてもらいました。

 

お稲荷様にお裾分けして、友達とお社の前に設置された椅子に座ってワイワイ食べていると、「○○ちゃん(私)、××くん、そろそろ帰るべし。一緒にあんべ~(行こう)」と呼ばれました。

 

「はーい」と返事したのですが、呼んでくれた近所のおいちゃんは気付かず私たちの名前を呼び続けていました。

 

おかしいな?と思って立ち上がり、大きめの声で返事しながら手を振ったのですが、おいちゃんは気付きません。

 

それどころか、「○○と××、どこさ行ったか知らねぇか?」と、他の大人たちに聞いていてまわり始めていました。

 

こんなに近くにいるのにと思いながら、急いでゴミを袋に入れておいちゃんのところへ行こうとしていたら、おばちゃんが「あれっ、二人してそこで食べてたけど?」と、私たちの方を指差して言いました。

 

えっ?と思いながら、おいちゃんとおばちゃんがいる所まで「ここにいるよー」と大声を出しながら走って行ったのですが、全然気付いてくれません。

 

肩とかも叩いているのに、無視されているというかなんというか・・・。

 

少し怖くなり、一緒にお好み焼きを食べていた友達の手を握ったら、友達は「なんだろう、どうしたんだろうね」と、首をひねっていました。

 

そのうち、私たちを探し始めて大騒動になってきました。

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背後に近付いて来る影

私は中学一年で友達の××くんが高校一年だったので、「××が送って帰って行ったんじゃないか?」と言い始め、私も友達も頭が???のまま。

 

必死になるべきなのか、からかわれているのか分からず、「冗談やめてよー」という感じで大人たちの周りをうろちょろとしていました。

 

でも、境内の脇に私と友達の自転車が見つかり、カゴに荷物も入っていたことから”何かおかしい”ということになり、あれよあれよと大騒ぎになってしまいました。

 

友達もさすがに「なんかおかしいよ、これ」と言って、一緒に境内を出て、神社隣の酒屋にあった公衆電話から友達の自宅に電話をかけました。

 

(当時は携帯電話が普及し始めた頃で、田舎の高校生では携帯を持っている人は少なかった)

 

あいにく、友達の両親は留守だったので、私の家に電話をかけました。

 

母親が出たのですが、私が「もしもし、お母さん?」と言っても、「もしもし?もしもし?」と返事が返ってきて、こちらの声が聞こえていないようでした。

 

しまいにはイタズラと思われたのか、切られてしまいました。

 

なにがなんだか分からないまま、もう一回かけたのですが、やっぱり声が届いていないようで、「イタズラなら切ります」と言われてしまいました。

 

そのことを友達に話していると、お祭りにいた人達が私たちの方へ向かって来たのでほっと安心したところ、私たちを素通りして酒屋の裏手に向かい、「●●さん、電話貸してけでー」と言っては入って行ってしまいました。

 

誰に声をかけても気付かれないので、私たちは自転車に乗って帰ることにしました。

 

左手にずらっと田んぼがあり、右手に畑が連なっている道で、お祭り帰りの高校生もいて声をかけたのですが、やっぱり気付かれず。

 

何とも言えない気分で無言のまま二人で自転車を漕いでいると、「ちょっと待って!」と友達がいきなり自転車を止めて、「自転車置いて歩いて行こう」と言うのでその通りにしました。

 

自転車のライトが消えて当然真っ暗になったのですが、友達が「そのキーホルダー、カゴに入れて」と言うので、私のバッグに付いていた光蓄するキーホルダーを取って自転車のカゴに入れました。

 

頭が働かなくて言われるがまま自転車を乗り捨て、友達に手を引かれて右手の畑を通ってトウモロコシ畑に入りました。

 

「しゃがんで、あれ見て」と友達が言う通りに先ほど通っていた道を見ると、点々とある街灯の明かりの下を祭り帰りの人も通って行くのですが、黒い影とも白い影とも透明ともいえない、表現し難い何か人影のようなものも通り過ぎて行くのです。

 

蜃気楼じゃないよね?とか言っていたのですが、「あれにライト当たった時、顔みえた」と友達が言ったのを聞いてゾッとしたのを覚えています。

 

そのうえ、私たちの後ろを付いて来る同じ影がいて、わざと普段通らない道を通ったりして来たそうなのですが、やっぱり付いて来るので試しにライトを消して隠れてみた、みたいな説明をしてくれたのですが、これからどうしたらいいのか分からず、しばらく畑で座っていました。

 

15分くらいすると、警察のパトカーが道を通りすぎ、もしかして私たち通報されたんじゃない?みたいな話をしていた時でした。

 

友達が私の手を握ったので”只事じゃない”と思って黙ったら、畑の向こうから影みたいなものが数体、こちらの畑に入って来たのです。

 

腰を低くして早足でトウモロコシ畑を抜け、川の土手を這うようにして走りました。

 

それからは、どん詰まりにある自宅には向かわず、明るくてここよりは人の多い24時間やっているスーパーへ行こうということになり、後ろを振り向かないでひたすら走りました。

 

そして、スーパーの公衆電話からもう一度私の家に電話をかけたのですが、「もしもし?○○なの?○○でしょ?どこにいるの?もしもし?」と母親が出て、パニックになっていました。

 

呼びかけても声が通じないので、こちらから電話を切ってスーパーの人に声をかけたのですが、やっぱり無視されるのです。

 

仕方がないので、飲み物と食べ物を少し取り、多めのお金をレジに置きました。

 

(でも、店員さんがそれに気付く気配はなかった)

 

それから3日間、自宅に行ったり、警察に行ったり、神社に行ったりと、影みたいなものからも、ひたすら隠れて逃げていました。

 

友達と話し合って、次に影が来たら逃げずに話そうと決めて、一睡もぜず眠くて眠くて行きがかりの橋の下で座って寝ていたら、友達に肩を揺すられて目が覚めました。

 

警官がこちらに向かって来るので、友達は少し警戒していました。

 

でも警官の方からこちらに声をかけているので、ようやく会話が出来る人が現れたと思って泣いてしまいました。

 

そのまま保護され、”家出”ということで処理されました。

 

私たちは祭りの日を含めて3日間しか家を空けていないのに、なぜか14日間も行方不明ということになっていました。

 

乗り捨てられた自転車も、私たちがスーパーで買い物をした形跡(置き去りのお金と食べた袋)も見つかり、スーパーの事務所に入って電話した記録までも残っていました。

 

「その時は警備員がいたはずなのにどうやって忍び込んだ?」と言われ、私たちも説明のしようがなくて納得のいかない体験でした。

 

(終)

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