曇りガラスの向こうに見える人影

窓

 

数年前、知り合いが『訳有り物件』に引っ越した。

 

立地は良いものの、ちょっと手を伸ばせば隣の建物の窓が開けられるぐらいの真横にアパートが建っていて、家賃は2万数千円。

 

隣のアパートと隣接した部屋は日当たりも悪い為、ずっと物置部屋の様にして使っていた。

 

ある日、その物置部屋に置いたであろう何かが必要になり、久しぶりに部屋の中へ入ったそうだ。

 

しばらく物探しをしていた最中にふと窓に目をやると、隣のアパートの窓の向こうに人がいて、こちらを見ていた。

 

知り合いの部屋の窓は普通のガラスだったが隣のアパートの窓は曇りガラスだった為、実際はこちらを見ていたかは分からないらしいが、顔はこちらの部屋の方を向いていた。

 

その後、数十分その部屋にいたが、部屋を出る際にまた窓に目をやると、まだその人は窓の向こうにいて、全く動いた様子がないことから「マネキンかな?」と思った。

 

翌日、また用があって物置部屋に入った。

 

案の定、隣のアパートの窓の向こうには人の顔が。

 

マネキンだとしても気味が悪いからこちら向けて置いておくなよと思いつつ、気にすることもなく用を済ませて物置部屋を出た。

 

それから3日後の夜。

 

仕事から帰って来ると、隣のアパートの前には救急車やパトカーが停まっていて、なんだか物々しい雰囲気になっていた。

 

その日は疲れていた為、何が起こったのか気になったが寝てしまった。

 

次の日、隣のアパートの住人に、「昨日は何が起きてたんですか?」と聞いた。

 

すると、「ああ、あの部屋で男の人が首吊って死んでたみたいだよ」と教えてくれた。

 

“あの部屋”と言った時にその人が指を差した部屋は、知り合いの物置部屋と隣接していた部屋だった。

 

知り合いは怖くなり、すぐ越したそうだ。

 

(終)

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One Response to “曇りガラスの向こうに見える人影”

  1. 縷實香 より:

    今日も楽しい1日でした

    お休みなさい

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