辺では知らない者の無い家柄だったが・・・
これは、私の家系にまつわる話。
元々は国の催事に関する『占い』をしていたようで、明治の頃は士族(武士の家柄)だった。
また、家の敷地内から文化財が出たりして、この辺では知らない者の無い家柄だったそう。
だが、私より二代前から突如没落し始め、たった数十年で私と姉、そして弟以外の全員が亡くなった。
弟は養子に出てしまい、私は遠方へ嫁ぎ、家には姉以外居ない状況に。
つまり、姉が死んでしまえば家が絶えてしまうのだが、姉は子供を産めない身体。
・・・とはいえ、姉は海外の方と結婚が決まって出国することになった。
そんな折、私は遠方へ嫁いだのでもう二度と故郷には戻らないはずだったが、なぜか夫が急に私の実家から徒歩5分のところに転勤に。
しかも、以後の転勤は無し。
なので、お墓の世話など、苗字が違う私がすることになった。
その上、子供が出来ないはずだった私に子供が出来た。(妊娠中)
既に他家に嫁いでしまった私だが、この子は将来実家を継ぎそうな気がする。
根拠はないが。
ちなみに、私の親は上記の通り亡くなっているので、子供をどうやって産んで育てていいのか困っていた。
すると、家に共済の営業に来たおばちゃんが偶然にも亡くなった母の親友で、以後は色々と面倒をみてもらっている。
聞けば、私の家系は九州の壱岐島というところから京へ来て、京で石を使った占いをしていたようで。(実家は京都ではない)
その石は文化財として既に寄付してあるが、石の台座はまだ家に祀ってある。
家紋もかなり特殊で、どんな本を見ても載っていなかった。
また、石の台座と一緒にキツネが祀っている。
(終)