周りにいる人間の本質 1/2

ドルフィンリングというイルカの形をした

指輪が流行った大昔の話。

 

当時私は小学低学年で、

10歳年の離れた姉がいるんだけど、

 

姉はいわゆるDQNで、

 

夏休みになるとほぼ毎晩

DQN仲間をうちに連れて来ては、

親と喧嘩をしていた。

 

この当時、

 

子供嫌いのお兄さん(以下A)

優しいお姉さん(以下B)の二人が、

 

いつも家に遊びに来ていた。

 

Aさんは私が姉の部屋に近づくと

凄い怒って、

 

「ガキがくんじゃねーよ!」

って怒鳴り散らすのね。

 

その度にBさんや他の人たちが、

「小さい子にそんな事言うなよ~」

 

とフォローしてくれて、

 

「Cちゃん(私)だって

遊びたかったんだよね」

 

とか言ってお菓子くれたり、

部屋に入れてくれた。

 

正直、私はAさんが嫌いだった。

 

だって、人の家に来て

泊って行ったりするのに

優しくしてくれないし、

 

私が姉の部屋に近づこうとすると、

「チッ!」って舌打ちして威嚇するし、

 

たまに外で会っても、

「ガンくれてんじゃねーぞ!」 

とか言ったりして、

 

とにかく怖かったから。

 

逆にBさんのことは大好きだった。

 

BさんはAさんと違ってて、

うちに来る度に花火やお菓子をくれたり、

Aさんのフォローもしてくれたり、

 

外で会えば必ず声をかけてくれて、

友達のいない私が寂しいだろうからって

一緒に遊んでくれたりもしたんだ。

 

Bさんの口癖は、

「Cちゃんが私の妹ならいいのに」

だった。

 

そんな荒れた夏休み(我が家の黒歴史)

終りに差し掛かったある日、

 

急にAさんがドルフィンリングをくれた。

 

姉の部屋にも行かず私の部屋に来て、

「ほら」って投げてよこした。

 

ピンクのラッピングした箱に入ってた。

 

誕生日でもなんでもない

普通の日なのにおかしいな?

 

とは思ったけど、

 

友達いなさ過ぎて頭がお花畑だった私は、

やっとこのお兄さんとも仲良くできるんだ!

 

って思った。

 

当時の流行り物だったし、

初めてAさんがプレゼントしてくれた物で、

 

当時の私の指には親指でも

ブカブカだったけど凄く嬉しくて、

 

貰った日は握りしめて寝たんだ。

 

そしたら真夜中に手が熱くなって、

びっくりして目が覚めた。

 

Aさんから貰った指輪が、

焼けたように熱くなってた。

 

せっかく貰った指輪が壊れた~!って、

熱いわ寝ぼけてるわでギャン泣きしたのを

今でも覚えてるんだけど、

 

誰も様子を見に来てくれないのね。

 

真夜中だからしょうがないんだけど、

横に寝てたはずの母もいなくて、

流石におかしいなっと思った。

 

指輪はその頃には熱くなくなってて、

その指輪を握りしめて明かりがついてた

リビングに行ったら、

 

両親が真っ青な顔して、

「お姉ちゃんが事故にあった」

って言った。

 

この辺りはもうほとんど

覚えてないんだけど、

 

姉とそのDQN仲間たちが、

バイクでどこぞの山に遊びに行って、

 

その帰りに仲間全員、

バイクの玉突き事故にあったらしい。

 

姉の容態は電話じゃよくわからなかったけど、

とにかく危ない状態だったらしい。

 

なのに両親はリビングに居て、

ちっとも病院に行こうとしないの。

 

私はパニックになって、

 

「おねーちゃんが死んじゃうかも知れない!

病院に行こうよ!」

 

って泣いて訴えたが、

両親は頑として動かなかったのね。

 

で、私が自棄になって、

 

「私だけでも行くから!」って

パジャマのまま玄関に向かったら、 

父が全身で阻止してきた。

 

私はAAのズサー(ズサーc⌒っ゚Д゚)っ)

みたいな感じでドアに突っ込んでいく

父の異常さが怖くてまた泣いた。

 

母親は、

「Cちゃんお部屋にもどろ?ね?ね?」

って、一生懸命宥めてくれるんだけど、

 

その母親の顔も、

泣きそうっていうか怯えまくってた。

 

その両親の異常な雰囲気で、

私も『あ、コリャなんか変だぞ?』

って妙に冷静になって、

 

よく見ると両親、

ちゃんと外着に着替えてたんだ。

 

何でだろうっと思った瞬間、

ピンポンが鳴ってBさんの声が聞こえて、

 

「Cちゃん迎えに来たよ。

お姉ちゃんの所においでー!」

 

みたいな事を言ってた。

 

私は、

「Bさんが迎えにきた!

おねーちゃんところ行こう」

 

って親に言ったんだけど、

両親は震えて顔真っ青なの。

 

母親は私を全力で抱き締めて苦しかったし、

父親は何かブツブツ言い出すし、

 

かなり異常な状況だった。

 

あまりに異常すぎて、

私は親が狂った!っと思って、

Bさんの名前を呼びまくった。

 

「Bさん怖いよ!

おねーちゃんが死んじゃう!

パパとママがおかしくなった!!

Bさん!Bさん!!」

 

って。

 

でも、相変わらずBさんは

助けてくれるどころか玄関の外で、

 

「Cちゃん、お姉ちゃんのところにおいで」

 

しか言わないの。

 

しかも声は凄く冷静・・・

っていうかむしろ楽しそうな感じ。

 

「Cちゃーん、お姉ちゃんの所おいでー」

 

「Bさん怖いよ!たすけて!」

 

どのくらいそのままギャーギャーしてたか

わからないけど、

 

急にまたAさんから貰った指輪が熱くなって

手を放そうと思ったんだけど、

 

手だけ金縛りにあったみたいに

グーの形のまま動かない。

 

そのうち喉が苦しくなって

声がうまく出なくなってきて、

 

しまいには、叫んでるつもりが

全く声が出なくなった。

 

母親が、口をパクパクさせてるのに

声が出なくなった私を見て

ぎょっとしてたけど、

 

声が出なくなったせいで

更にパニックが加速して、

 

暴れる私を抱き締めてる力は

緩めてくれなかった。

 

その間もBさんは、

楽しそうに私を呼んでた。

 

そのうち、かすれた声が出てきたと思ったら、

今度は勝手に言葉が溢れてきた。

 

(続く)周りにいる人間の本質 2/2へ

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