悪霊退治のおまじない

友人A子は大の怖がり。

 

正体見たり枯れ尾花的なことでも

本気で怖がり、

過呼吸まで起こしてしまうことがあるので、

友人の間でA子の前では

怖い系の話もお遊びでの怖がらせも避けていた。

 

(ことわざ)

「幽霊の正体見たり枯れ尾花」とは、

怖い怖いと思っていると、何でもないものまでが、

とても恐ろしいものに見えてしまうことのたとえ。

 

ある時、A子を含む友人数人で

集まって食事をしていたら、

ネラーのB美が

「もし心霊現象とかの怖いことが起きたら、

ファブリーズを部屋に吹いたり

『びっくりするほどユートピア』って

唱えるといいみたいだよ」

と言っていた。

 

その数週間後、遊び過ぎて

終電を逃してしまった私とA子は、

一緒に遊んでいた友C子の厚意で、

C子宅に一泊させてもらうことになった。

 

だがC子の住むアパートは、

地元でも「出る」ことで有名なところ。

 

C子の部屋にはまだ怪現象は

起こったことは無かったのだが、

A子が心配だったので

「ビジホに泊まるか?」と尋ねてみたが、

まだまだ私やC子と

楽しく話がしたいというA子は、

「この前、B美に教えてもらった

おまじないがあるから大丈夫!」と、

C子宅への宿泊を承諾した。

 

それで、お風呂を先に済ませ、

3人で馬鹿話などしつつ盛り上がっていたら、

突然照明が不規則に点滅を繰り返し、

揺れてもいないのに棚に置いたものが

カタカタ鳴り始めた。

 

突然のことに青ざめるA子とC子と私。

A子に至っては真っ青を通り越して真っ白。

 

痙攣のようにガクガク震え、

呼吸も上がり始めていた。

 

C子の部屋の一角にファブリーズを発見すると、

A子はガバッと立ち上がり、

ファブリーズを手にすると宙に吹きつけながら、

「びっくりするほどファブリーズ!

びっくりするほどファブリーズ!!!」

と大声で唱え始めた。

 

一瞬、ポカーンとした後、

私とC子大爆笑。

 

何事かとポカーンとしているA子。

 

「いや、それ違うし(笑)

「びっくりするほど『ユートピア』だろ(大笑)

 

恥ずかしさに悶えるA子と、

笑いが止まらんC子と私。

 

気づいたら怪現象は治まっていた。

 

不思議なことに、それ以降

C子の住むアパートでは、

怪現象がぱったり止んだという。

 

以来、そのアパートに入居した人には、

不動産会社からファブリーズが贈られるようになった。

 

というのは多分C子の冗談だと思いたい。

 

(終)

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One Response to “悪霊退治のおまじない”

  1. はちまんぎ より:

    A子ちゃんファブリーズもろかかってそう(笑)
    定期的に見たくなる話(笑)

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