怖 75巻（全20話）

  小学校のクラスメートに一郎（仮名）というのがいて、父親は地元の名士で有名な産婦人科医だった。   外壁に蔦が張っていて、かなり古い二階建ての洋館を病院にしていた。   近所の子供たちの間・・・

「七月七日の雨の晩に訪れた妊婦」の続きを読む

  オカルト要素は一切無いが、七夕にまつわる現実的な怖い話を。   織姫（こと座のベガ）と彦星（わし座のアルタイル）は１年に１回会うのが定番となっていますが、２人の間の距離は最大で『約１４.４光年』も・・・

「織姫と彦星は毎年会うことが出来ない理由」の続きを読む

  今年で９歳になる美咲ちゃん（仮名）は、去年の七夕の日に笹で指を切ってしまった。   傷は大したことなかったのだが、運悪くバイ菌が入ったらしく、傷口が化膿し始めた。   慌てて医者に見せた・・・

「短冊に書かれていた少女の切ない願い事」の続きを読む

  今はもう廃村になってしまった小さな集落の話。   当時はまだ、火葬は山で野火送りで行われていました。   村で強欲や残虐、非常識で有名だった独り者の婆さんが亡くなった時、祖父や村の人らが・・・

「嫌われ者の婆さんの火葬にて」の続きを読む

  １０年ほど前の出来事。   当時はいつも夜遅くまで遊んでいて、その日も自宅に帰り着いたのは深夜の２時頃だった。   ちょっとジュースでも飲もうと、自宅前の自販機に小銭を入れて何を買おうか・・・

「深夜２時、街灯の下に佇む母と子」の続きを読む

  うちの爺さんは若い頃、当時では珍しいバイク乗りだった。   金持ちだった両親からの何不自由ない援助のおかげで、燃費の悪い輸入物のバイクを暇さえあれば乗り回していたそうな。   ある時、爺・・・

「山の『物の怪』は珍しいものを好む」の続きを読む

  商船の高等専門学校に通っていたお爺ちゃんから聞いた話。   学校では卒業前に『航海実習』というのがあるらしく、その実習をしなければ卒業出来ないそうだ。   その実習とは、航海訓練所という・・・

「長期間の航海実習にて起きた悲劇」の続きを読む