人のような形をした青い色の物体
これは、4年程前に体験した話。
トラックに九州行きの荷物を積んで、九州道を走っていた深夜2時頃だった。
事前に3時間くらいの仮眠を済ませており、車内ではアニソンを爆音で大熱唱していたのだが、突然音楽が止まり、プレイヤーを見ると電源が落ちていた。
そして再度電源をつけようとした時、正面に人のような形をした青い色の物体がいた。
それはゆっくりと歩いているような、浮いているような動きで俺に近づいて来た。
遅くても時速80キロは出ているトラックに向かってゆっくりと。
そのままフロントガラスをすり抜け、それは俺に重なった。
途端に俺は意識がぼーっとし始め、それが体を通り抜けていく感覚だけがあった。
体を通り抜ける寸前、ハンドルに頭をぶつけて意識が戻った。
青い奴は消えていた。
ただ、意識が戻る前に姉の怒っている顔が頭に浮かび、なぜか俺は「それで助かったんだ」と思った。
夜が明けた翌日、その出来事を姉に電話で話してみると、「お前のベースが夜中に勝手に鳴ってうるさかったから怒鳴った」との事だった。
もしかすると、あのまま意識が飛んでいたら俺は死んでいたのだろうか。
場所は大牟田インターの手前で、青い奴は傘のような物を持っていた。
(終)