友達が消えた日

砂遊び

 

これは、幼稚園の頃に友達がいなくなった話。

 

公営住宅住まいの僕は、同じ区内のコウタ君と公園でよく遊んでいた。※仮名

 

でもある時からコウタ君は、公園内で「何かが迎えに来る」と言い始めた。

 

幼かった当時は意味がわからなかったし、ふざけているだけだろうと思った。

 

砂遊びをしている時にも「また来てる」と言って、僕の死角になっている辺りを凝視したりしていた。

 

なんでも、その迎えに来る者は“ガイコツのような見た目”らしくて、たまに体に触れられたりするとも言っていた。

 

そんなある日のこと。

 

いつものように砂遊びをしている時に、「また迎えに来てる」と言う。

 

僕はうんざりしながら振り向き、何もいないのを確認して向き直ると、コウタ君はいなくなっていた。

 

相手にしないから怒って帰ったんだと、その時は思った。

 

でもその日以降、コウタ君を見ることは一度もなかった。

 

僕はコウタ君が公営住宅の何号棟に住んでいるのか知らなかったし、よくよく考えると他の誰かと遊んでいるのを見たことがない。

 

(終)

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