我が子の死を知らせにきた謎の声
これは、ばあちゃんに聞いた怖い話。
ばあちゃんには現在3人子供がいるが、実はその前に最初の子を1人亡くしていた。
その子は、赤ん坊の頃に突然高熱を出して、病死してしまったらしい。
その子の名前を、仮に『たかお君』とする。
たかお君が高熱を出す少し前、ばあちゃんは家の裏へ畑仕事に行ったそうな。
すると、どこからか声が聞こえてきたという。
「たかおがしぬぞー、たかおがしぬぞー」
不審に思って辺りを見回しても、誰もいない。
おかしいなあ?と感じながらも、ばあちゃんは畑仕事を続けた。
しかしその後、たかお君は死んでしまった。
ちなみに、ばあちゃんは霊の類は一切信じていない人で、とても現実的な人だ。
そんなばあちゃんが何の前振りもなしに、私と二人きりの時に突然こんな話をし始めたからゾッとした。
ばあちゃんは普段から冗談も言わないような人なので、私を怖がらせるための作り話とも思えなかった。
※参考 『バンシー』
バンシーは、アイルランドおよびスコットランドに伝わる女妖精である。人の死を叫び声で予告するという。バンシーの叫びが聞こえた家では近いうちに死者が出るとされるが・・・(Wikipediaより)
(終)