筑波山へと続くひっそりとした道にはご注意を
これは、『筑波山へと続く道』で何度も不可思議な体験をした話です。
僕が中高生の頃は、移動に自転車は必須でした。
何もない田舎なので、ちょっとした街へ遊びに行くにも30分から1時間かかるなんて当たり前。
ただ、まだ中学生の頃は街に繰り出して遊ぶことなど知らなかったため、友達の家や筑波山に登ったりして遊んでいました。
もちろん自転車は必須です。
筑波山のふもとの友人の家から、筑波山へ登る細い道があったのでよくそこを使いましたが、その道を使う時は必ず数人で行くようにしていました。
なぜなら、一人の時は”不可思議なことがよく起こる”からです。
それに、たまに数人で行く時も、絶対にお互いの目の届く範囲で行動することが鉄則でした。
実際に僕自身が体験した一例は以下のようなものです。
① 登り坂の途中で自転車のチェーンが千切れて股間をサドルに強打する
この体験は、逆切れしつつ「後ろから誰かが凄い力で引っ張ったんだ」と思っていました。
② 帰りの下る道で目を離した隙に自転車ごと何もない空間に大激突する
この体験は、凄い音がしたので振り返ってみると、道路の真ん中で鼻血を出しつつひしゃげた自転車と転がっていました。
③ カーブを曲がった瞬間に崖下へ自転車ごと華麗に転落する
この体験は、緩いカーブなのに、まるで側面衝突でもしたかのように突然空中へ投げ出されました。
他にも、自転車の後ろに誰かが乗ってグラグラ揺らされたり、いきなりハンドルを横に切られたりなどがありました。
どれも生死にかかわるような事故にはなりませんでしたが、見えない壁や重くなるなどのことから、僕たちの間では『塗り壁の道』と呼んでいました。
今その道はどうなったのかはわかりませんが、もし筑波山へ行くことがあれば、そこへ続くひっそりとした道にはご注意ください。
(終)