恒例の肝試しが中止になったある出来事

多数の手

 

これは、去年の夏の話。

 

小学4年生から中学3年生までの子供たち50人と、高校生からそれ以上の大人たち20人でキャンプに行った。

 

この集まりは、ボーイスカウトのような団体。

 

キャンプ初日の夜、『肝試し』をすることになり、子供たちを“5班”に分けた。

 

各班の子供10人に対して、大人2人の引率につける。

 

残りの大人たちは、森などに隠れて脅かす役にまわる。

 

但し、脅かすと言っても「ワァー!!」と叫んだりするのではなく、草木をカサカサしたり、石を近くに投げたり、クスクスと笑ったりして、異変に気づくと怖いと思わせることをする。

 

もちろん子供たちが気づかないと折角の肝試しも盛り上がらないので、引率している大人がサクラ(おとり)になり、それら異変に対して必要以上に驚くのだ。

 

肝試しのコースは、森の中にある一本道を歩きながら、その途中で左に曲がって国道に出るとゴールとなる。

 

私は森に隠れる役で、隣には協力仲間の女性がいた。

 

二人で予定通り5班分の子供たちを驚かし終え、しばらくすると周りに潜んでいた他の大人たちも次々に表に出てきたので、私たちも国道の先の集合場所まで談笑しながら戻った。

 

その矢先、国道近くに隠れていた大人たちがまだ隠れたままで、私たちに向かって小声で「まだ!まだですよ!」と言う。

 

しかし、森に隠れていた私たちは確かに5班の通過を確認したので、「何を言ってるんだろうね」程度に思い、気に留めずそのまま集合場所へ向かった。

 

すると、集合場所にはまだ4班しかいなくて、引率していた大人たちと「おかしいね…」なんて話をしていたところに、後方から最後の5つ目の班が戻ってきた。

 

不思議に思い、私たちとは別の場所で森に隠れていた大人たちとよくよく話してみると、「どんな驚かし方をしても全く反応せず、全員が下を向きながらザッザッザッと歩く班があった」と言う。

 

確かに、そのような感じだった班は私も隣いた女性も見ており、「ノリが悪いね」なんて言う話をしていたので覚えている。

 

ただ、国道近くに隠れてい大人たちは、「そんな班はいなかったけどなぁ…」と口々に言う。

 

仮にそうであれば、その班は国道へ向かうために左には曲がらず、そのまま森の一本道を歩いて行ったことになる。

 

つまり、全部で5班だったはずが、森の中では“6班あった”ということだ。

 

そんな奇妙なこともあり、今年からは毎年恒例として行っていた肝試しは中止となった。

 

(終)

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