道端で拾った古いカメラ
残業帰りの夜11時頃、
誰もいない道端で、
『十年後の自分が見えるカメラ』
と書かれた古いカメラを拾った。
面白半分で自分を撮ってみると、
なにも写らない。
「なんだ、壊れてんじゃん」
と独り言を言いながらも、
気になったので持ち帰った。
次の日、
ネタとして会社へ持っていき、
友人を撮ってみた。
するとそこには、
ホームレスになった友人の姿が。
周りの同僚は笑っていたが、
俺は友人の未来が心配になった。
(終)
解説
友人を撮るとホームレス姿になっているので、
カメラは壊れていない。
自分を撮った時には写らなかったということは、
十年後、俺はこの世にいない。
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