中古の家を売買仲介した数日後に
私の仕事は、中古の家の売買仲介。
これは、不動産コンサルタントの講師が話していたこと。
ある売買仲介の数日後、買い主の奥さんから電話があったそうな。
クレームかと思って聞いてみたら、「この家、寒いんです」と言う。
講師は内心「はぁ?」となりつつ、戸建はマンションよりは寒いものなんですよと説明し、ひとまずは納得してもらった。
近所の人は知っていた
しかし、しばらく経った頃にまた電話があった。
「とにかく寒いんです。それに、女の人が居るんです、家の中に・・・」と言い出した。
講師は困り果て、旦那さんに連絡して相談した。
すると旦那さんも、「妻が家の階段に女の人が居ると言い続けて参っている」とのこと。
そうして旦那さんから「念のために家に何かなかったか?調べてほしい」と頼まれて、仕方なく調べてみたという。
結果、前の所有者の媒介業者は何も知らないと主張していたが、近所の人が知っていた。
曰く、「あそこのおうち、階段で奥さんが首吊りして救急車が来てたわよ。そのまま亡くなったんじゃない?」と。
売り主と買い主の媒介業者は善意の第三者なので違約金はないが、講師の仕事の中では契約成立後に契約を解除した、わりと珍しいケースだったそうな。
またその講師曰く、「築浅マンション物件で自殺されるのは怖いよ」とのこと。
あっという間に噂が広まり、物件の価値が半値以下になる上に、自殺者も遺族も大抵お金がないので損害賠償請求も出来ない、と。
挙句、オーナーさんまで自殺寸前に追い詰まるから、「自殺は本当に迷惑。するなら山の中で勝手にしてくれ」と言っていた。
他にも賃貸関係で怖かった話は、「自殺者が出た物件なんて気持ち悪いけど、住み続けてあげるから家賃を下げてくれ。下げてくれるまで払わない」と交渉してくる入居者が大勢いたこと。
他人の死も自分の利益にしようとする人間の方がよっぽど怖い。
(終)
>>山の中で勝手に
そこもまた、誰かの持ち山だったりするんですけどねぇ…