通りすがりの幽霊に

もう一年以上前の事だが、

 

俺はバイトに行くため、

昼前に家を出た。

 

家からバイト先までは

一本道で、

 

田舎だったから

周りは畑ばっかりで、

 

民家は殆ど無くて、

人通りもなかった。

 

あえて言うなら、

 

途中で小さな霊園が

あるぐらいか。

 

この日も人通り無く、

車も通る事がなくて、

 

俺はいつも以上に

ぼーっとしていた。

 

前日のバイトが辛かったから

疲れてたのかもしれない。

 

ダラダラと歩いていて、

俺はふと気付いた。

 

後ろに人がいる。

 

俺のすぐ後ろを、

人が付いて来てる感じがした。

 

ぼーっとしてたから、

 

ずっと気付かなかったんだろうか、

と考えた。

 

が、この道は俺の家を通り過ぎたら

脇道はない直線だ。

 

それに家を出た時に、

周りには誰もいなかった。

 

畑の間に草道はあるが、

 

周りに高いものがないから、

遠くに人がいても見える。

 

じゃあ、コイツはいつから

俺の後ろにいたんだと考えていると、

 

後ろのヤツが距離を詰めてきた。

 

足音が俺より少し早い。

 

気になった俺は、

 

肩越しに見てみようと

首を後ろに傾けた。

 

が、後ろには誰もいない。

 

後ろにいた気配が、

 

俺の背中から肩に

ぺったり張り付いてる。

 

ヤバイ。

 

人じゃねぇと思った時には、

そいつと目が合っていた。

 

普段は霊と遭遇したら、

 

人だったりモヤっぽく

見えたりするんだが、

 

その日は見えなかった。

 

そこにいるっていう感じと、

 

そいつが俺を見てるって

感じがあった。

 

ヤバイと思ったが動けない。

 

背中に張り付かれるなんて

初めてだから、

 

驚いて体が固まったんだと思う。

 

張り付かれてる部分が

ひやりとして、

 

俺はこいつは良くないもの

だと思った。

 

そうしたら、今度はその冷気が

内蔵や心臓を撫でるように広がって、

 

心臓を軽く掴まれたような

感じがした。

 

ヤバイ。

気持ち悪い。

 

離れないとヤバイ。

 

そう思ってたが、

 

結局、俺は向こうがいなくなるまで

動けなかった。

 

首の辺りに、

嫌な汗をかいてた。

 

いなくなった後、

 

俺は気を取り直して

バイト先に向かったが、

 

撫でられた辺りが

段々気持ち悪くなってきた。

 

ヤバイかもしれんと思って、

 

俺は小さいころ伯母に教えられた

般若心経を唱えながら、

 

バイト先まで行った。

 

薬を飲んで昼を過ぎても

良くならない。

 

少しだけ昼を食べたが、

結局トイレで吐いた。

 

夕方、バイトが終わっても

良くならない。

 

食欲が出ないので、

夜は食べないまま寝た。

 

気持ち悪く、

なかなか眠れない。

 

浅い眠りのまま、

明け方にトイレでまた吐いた。

 

このままだとヤバイだろう

かと思ったが、

 

一週間過ぎたくらいに、

段々と体調が戻ってきた。

 

かなり安心した。

 

正直、命の危険を

感じてたから。

 

今は同じ道を歩いても、

会ったやつには遭遇していない。

 

通りすがりの良くないやつ

だったんだろうか。

 

憑かれたかとも思ったんだが、

当てられただけで済んだんかな・・・。

 

(終)

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