合宿で見張り役をしていた一年生が
友達のお兄さんの体験談。
そのお兄さんは、
九州の某大学の剣道部。
大学の体育会系というと、
上下関係はかなり厳しい。
その夏の合宿中での出来事。
部屋は学年毎に別れてたのだが、
毎朝4年生の部屋の窓が、
10センチほど開いているという。
窓はサッシ(横開き)に障子、
という形になっていたらしい。
毎晩、閉まっているのを
確認しているのに、
朝になると、決まって
10センチほど開いている。
誰かのいたずらかと思った4年生は、
1年生の一人に一晩中、
窓を見張っていろと指示した。
最後の晩、
その1年生一人を残し、
皆はどんちゃん騒ぎの宴会。
見張りをさせていたのを、
翌朝に思い出した4年生が
部屋に戻って見ると・・・。
見張り役は、きちんと正座をして
窓を見張っている。
窓は、やはり
10センチほど開いていた。
「おい!どうだったんだ?
何か分かったか?」
と、声を掛けた瞬間・・・。
こちらを振り返る事もなく、
返事をする事もなく、
そのまま立ち上がり、
窓を開け、
・・・身を投げてしまった。
それからは、
その合宿所の4年生部屋は
立ち入り禁止になった。
見張り役の人が何を見たのか。
見張り役がどんな顔をしてたのか。
何も分からないままなので、
ずっと気になってしまう怖さでした・・・。
(終)