屋根裏部屋で一目惚れした切ない初恋 1/2

天井裏

 

幼い頃で記憶が曖昧になっているのも

あると思うけれど、

 

今でもあの光景は忘れらない。

 

見間違いだったとは絶対に思えない。

 

あの時はただワケが分からず、

ただただ怖かっただけなんだけど、

 

後に、俗に言われる

曰く物件だったことが判明。

 

そして、

 

個人的にちょっと切ない

思い出でもあり・・・。

 

幼い頃ゆえ、

不明瞭な部分もありますが・・・。

 

たぶん3歳の頃、

家が古かったため完全に壊し、

 

同じ土地に再度新築で

建て直すことになり、

 

半年~1年くらいの建築作業の間を、

借家で暮らす事になった。

 

その借家というのが、

 

家を担当する大工(父の友人)

紹介してくれた不動産屋が、

 

超格安(そう聞いている)

貸してくれたものらしい。

 

祖父、父、母、姉、自分と、

 

5人で暮らすには少々狭くて

古めかしい家だったけれど、

 

特別な不自由はなく、

狭いながら楽しく暮らしていた。

 

が、家に慣れてくると

大体の構造が分かってきて、

 

外観から見ても、

 

どうやら屋根裏部屋があるらしい事が、

外から見える小さな窓からも分かった。

 

家の中にも収納式の階段が

あるのも分かった。

 

しかし、

使用された形跡は無い。

 

家財道具を借家の中に納め、

 

使っていないものが入った

段ボール箱までひしめき合うため、

 

非常に家が狭くなっているのに、

なんで屋根裏を使わないのだろう?

 

と疑問に思っていた。

 

そのことを聞くと皆して、

 

「あの階段は急だから

絶対に使っちゃダメ」

 

「屋根裏部屋は掃除してないから

行っちゃダメ」

 

と口を揃えた様に言う。

 

そうなると好奇心旺盛な年頃としては、

 

秘密基地のような感覚で、

そこに行ってみたくなる。

 

ダンボールを何段か重ね、

 

収納された階段を引っ張り出す

ための紐を伸ばすと、

 

ぎぃっと大きな音を立てて

階段が降りてきた。

 

折り畳まれていた階段は綺麗なもので、

 

埃なんかは積もっていなかったので、

そのまますたすたと上っていき、

 

天窓に手をかけた。

 

開けるにつれて、

蜘蛛の巣が張っているなどが見えてくる。

 

そして、

想像以上に薄暗い。

 

その時点で躊躇してしまったけれど、

窓のカーテンでも閉まってるんだろう。

 

それを開ければ明るくなると思い、

そのまま上りきる。

 

まず目に入ったのは、

凄い厚さの埃。

 

思わず「うわぁ~」と声を上げて見回すと、

薄暗い部屋の視界に人影が映る。

 

女の子?

 

髪の長い子で、何か、

ぬいぐるみで遊んでいるようだ。

 

本来ならばこの時点でおかしいこと

この上無いのだけれど、

 

一時とはいえ、

 

慣れた土地を離れ、

幼馴染たちとも会っておらず、

 

友達もいなかったので、

ぜひとも声をかけたかった。

 

埃が舞い上がらないよう、

静かにその子に近づいていく。

 

「ねぇ、なんでこんなところにいるの?」

 

なんて声をかけつつ。

 

しかし、

彼女は答えない。

 

というよりは、

 

聞こえているけれど、

反応しないようにしているような感じ。

 

彼女の隣にしゃがむ。

 

同い年くらいというのが分かった。

 

髪の長い子で、

ピンクの熊のぬいぐるみの腕を持ち、

 

色々なポーズをさせていた。

 

「僕、この家に住んでるの。

どこから来たの?名前は?」

 

など声をかけるが反応が無い。

 

こうも無視されると、

さすがに感じわる~とか思っていると、

 

彼女がふと顔を上げて、

こちらを向き、

 

「私はめぐみ」

 

って紹介をする。

 

どきっとする。

 

彼女があまりにも可愛かった。

 

一目惚れだったんだろう。

 

たぶん、これが初恋。

 

なぜこんなところにいるのかと聞けば、

 

お父さんに怒られて怖いから隠れている、

ということらしい。

 

それからは、

取り止めの無い話をしていたと思う。

 

でも、彼女を目の前に

すっかり舞い上がったため、

 

自分の話しかしていなかったと思う。

 

それでも、

彼女は頷いたり微笑んだり。

 

1階の居間にある時計が時間を告げた時、

祖父がそろそろ帰ってくると思い、

 

天井裏に行ったのがばれるので、

 

彼女に別れを告げ、

また来ることを約束し、

 

そのまま1階に降りて階段をしまう。

 

手を振りながら微笑んだ、

彼女が忘れられない。

 

(思い出なので美化されている

部分もあるでしょうが・・・)

 

が、出す時は紐を引っ張れば

いいのだけれど、

 

戻すには階段を押し上げる必要があり、

いくらダンボールを積み重ねても、

 

力がない上、

必要な身長もないので、

 

戻すことが出来なかった。

 

このままでは祖父に怒られると思い、

 

ダンボールだけを片付け、

紐をしまい、

 

少し落ちていた埃を片付ける。

 

そのすぐ後には祖父が帰って来たが、

階段が勝手に落ちてきたと説明をした。

 

何度もしつこく、

上には行ってないかと聞かれたが、

 

彼女と会えなくなるのが怖かったので、

嘘をついた。

 

もちろん彼女の話はしない。

 

階段が勝手に落ちてきたということでは

危ないので・・・と、

 

天井裏を頑丈に閉められ、

引き出すための紐は取り外されてしまう。

 

(続く)屋根裏部屋で一目惚れした切ない初恋 2/2

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