参加を強制された地元の祭りの所以とは 2/2

鳥居

 

「あの神社なあ、

 

神明社で天照大御神を

祭ってある事になってるけど、

 

実は違う。

 

※天照大御神(アマテラスオオオカミ)

日本神話中の最高神で,太陽神と皇祖神の二つの性格をもつ。皇室の祖神として伊勢神宮の内宮に祭られている。

 

ご祭神はもっと恐ろしいものだ」

 

「えっ?!そうなの?」

 

「明治時代に各地の神社の神様が

調査されたんだけど、

 

役人がこの土地に来た時、

 

土地の者は神様と呼んでいただけで、

神様の名前は知らなかった。

 

何しろ昔の人間は神様の名前なんて、

恐れ多くて知ろうともしなかったし、

 

興味もなかった。

 

それで役人が適当に、

神明社ってことにしたらしい。

 

こうやって各地の無名の神様が、

 

記紀神話の神様と結びつけられて

いったみたいだな」

 

「じゃあ、

何の神様かわかんないんだ?」

 

「いや、名前がわからんだけで、

どんな神様かはわかる。

 

お前、御霊信仰って知ってるか?」

 

「知ってる。

 

祟り神とか怨霊をお祀りして鎮めることで、

良い神様に転換して御利益を得るやつでしょ。

 

上御霊神社とか天神様とか。

・・・まさか」

 

「そうだよ。

 

海は異海と繋がってるって

言われるだろ。

 

だから、よくないものが時々、

海からやって来てしまう。

 

特にここら辺は地形のせいか、

潮のせいか、

 

海からやってきた悪霊とか悪い神様が、

あの浜には溜まりやすいらしいな。

 

それがたくさん溜ると、

 

漁に出た船が沈んだり、

町に溢れて禍をもたらしたりする。

 

※禍(わざわい)

よろこばしくない事柄。不幸をひきおこす原因。災難。

 

だから、

 

溜る前にこっちから神様をお迎えして、

神社に祭る。

 

それが祭りの意味だよ」

 

叔父さんは続けて語った。

 

「だから、注連縄はあれで合ってる」

 

「えっ、どういう事?」

 

「注連縄って、

 

(けが)れた人間が神域には

入って来れない様に、

 

つまり外から内に入れない様に

張り巡らすもんだろ」

 

「そうだね」

 

「あの注連縄は逆。

 

内から外に出れない様に

張り巡らされてる。

 

つまり、

 

悪い神様が外に出れないように

閉じ込めてんだよ

 

俺は昔を思い出してゾッとした。

 

昔、Aが社殿に入り込むという事が、

どれだけ無謀で危険な行為か理解できた。

 

Aはむざむざ外に出れないように

閉じ込められている、

 

悪霊や悪神の巣に入って行ったわけだ。

 

もし俺があの時、

 

Aの話を断れずについて行ってたら

と思うと・・・

 

背筋が凍りついて、

気が付くと手が汗でじっとりと濡れていた。

 

(終)

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