なんで骨壺なんかを盗んだのか・・・
オカルトではないが、神社にまつわる怖い話。
ウチの近くにある神社は地区で管理され、祭りの時にだけ他の神社の神主を呼ぶような無人の神社だ。
元々は神仏混淆の時代に真言宗の寺と一緒にあり、寺が火事で焼失して神社だけが残ったという。
※神仏混淆(しんぶつこんこう)
日本土着の神祇信仰(神道)と仏教信仰(日本の仏教)が融合し、一つの信仰体系として再構成(習合)された宗教現象。(Wikipediaより引用)
それに、もう誰の墓かも不明な五輪塔のお墓が境内にたくさんあった。
死者がゾンビに!?
ある日、管理する地区の人が掃除に来ると、五輪塔の多くが倒されて地面が掘り返されており、辺りには骨と思われる白いものが散乱していた。
何事かと思って警察を呼んで調べてみると、どうやら五輪塔の下に埋まっていた骨壺を掘り返して、中身を捨てて持ち去ったらしい。
「なんで骨壺なんか・・・」と思ったが、どうやら有名な焼き物の壺だったらしく、一個何十万円もするようなシロモノだとか。
しかしいくら金の為とはいえ、神社の境内を荒らし、墓から骨壺を掘り返して骨を捨てるとは・・・。
盗人には死者と神様から倍の罰があたるだろう。
確か、ここは白山神社だったから、菊理姫の罰が。
ちなみに骨は拾い集めて近くの寺で供養し、倒された五輪塔を修復したのちに、またそこに安置したそう。
しかし、最初にその荒らされた現場を見た人はびっくりしただろう。
俺なら死者がゾンビになって出てきたかと思う。
聞くところによると、かなり前に町の文化財調査でその場所も発掘調査したことがあったそうで、それでごく少数の人はその高価な壷の存在を知っていたらしい。
なので骨壷を盗んだのは、案外近くの住人ではないか?という噂もある。
(終)