しょっちゅう金縛りに遭う部屋
15年くらい前になるが、友人と二人でボロくて古いアパートの一室を借りて住んでいた時の話。
当時19歳の男二人なので、毎日夜中までドンチャン騒ぎしていた。
そして朝から仕事だった為、毎日が寝不足に。
そんな生活をしていたせいなのか、しょっちゅう『金縛り』に遭っていた。
今日のはアカンやつやったわ
最初の頃は寝不足が原因と思って気にしなかったが、そのうちその金縛りに2パターンあることに気付く。
一つは、「はいはい、また来たな」という感じのもの。
もう一つが、来る前から部屋の空気が変わり、何かの気配を感じるもの。
これがかなり怖かった。
よく友人と「何かあるんかの~、この部屋?」というような会話をしていた。
ちなみに、二人とも金縛りに遭う。
しかしヤンチャな年頃だったので、「おもろいやん!」とあまり気にしていなかった。
そんなある日、朝方4時頃に目が覚めた瞬間、「アカン、これはヤバイ」と思う空気になった。
横になっている背中側から、物凄い気配を感じる。
絶対に見たらあかんと何故かそう思い、必死で目を瞑りながら助けを呼ぼうとする。
・・・が、動けないし、うめき声くらいしか出せない。
すると、隣の部屋を繋いでいる襖が勢いよくバン!と開き、友人が「大丈夫か!」と入って来てくれた。
その瞬間に金縛りは解けたが、汗をびっしょりとかいていた。
「今日のはアカンやつやったわ」と言いながら、友人に感謝した。
それから30分後、ウトウトしていたら隣の部屋から「うう・・・う・・あ・・・・」とうめき声が。
もしかして!?と思って襖を開けると、友人が泣きそうな顔で「こっちに来たわ・・・」と言った。
結果、その晩は同じ部屋で寝ることになった。
一体あのアパートには何があったんだろうか?
ちなみに、今はそこに住んでいない。
(終)