5秒ルールの迷信
地面に落下した食べ物に
雑菌が付着するまで5秒かかるので、
それ以内に拾い上げれば
害なく食べられるという。
この話は、
昔から信じられている
迷信である。
が、驚くことに、
食品については日本だけでなく、
北アメリカからイギリスまで、
世界的規模で認知されている
迷信である。
これを、本当かどうか
実験した女性がいる。
2003年にイリノイ大学
アーバナ・シャンペーン校の
当時、高校3年生だった
ジリアン・クラークである。
彼女はキャンパス中の様々な
床のサンプルを採取して、
顕微鏡で調べた。
その結果、
床のかなりの部分はバクテリアを
含んでいないことを発見し、
結論として、多くの場合、
乾いた床に落ちた食品は、
安全であることが分かった。
引き続きクラークは、
床が汚染されていた場合の
5秒ルールを検証したいと思い、
大腸菌を研究室の荒い床と、
ツルツルした床の両方に広げ、
グミキャンディーとクッキーを
様々な時間置いて、
その付着状況を顕微鏡で調べた。
その結果、
全ての食品において、
5秒以下の時間でも
相当数の菌があった。
従って彼女の研究結果は、
5秒ルールへの有効な反証となった。
クラークはこの研究の功績により、
2004年度の公衆衛生のための
イグノーベル賞を受賞した。
(終)