鯛さんは立派ですね。一緒に泳いでいいですか?
これは、ラジオで聞いた小話。
一匹の鯛が海を泳いでいると、知らない魚が寄ってきて声をかけてきた。
「鯛さんは立派ですね。まさに海の王様。ところで、僕も○○鯛(キンメダイ)という名前なんですよ。鯛さんとは兄弟です。一緒に泳いでいいですか?」
そんな風に声をかけられた鯛は、「いいよ」と気持ちよく答えた。
話のオチに突っ込む私
二匹がしばらく一緒に泳いでいると、また違う魚が寄ってきた。
同じように自分も名前に鯛が付くとアピールし、一緒に泳いでいいかを尋ねられた鯛は、当然了解してまた泳ぎだす。
それを見ていたイソギンチャクが、どうして群れているのかを尋ねた。
すると鯛は、「名前に鯛が付く者同士。兄弟だから」と答えると、イソギンチャクはこう言った。
「鯛さん、彼らは名前に鯛が付いていても全然違う魚ですよ。そういうのは『兄弟』じゃなくて『あやかり鯛』と言うんです」
イソギンチャクは話を続ける。
「そこに落ちている鏡で自分の姿を見てみなさい。彼らなんて足元に及ばないほど貴方は立派ですよ。まさに海の王様です」
鯛はイソギンチャクに言われた通りに鏡で自分を見てみると、初めて見る自分の姿は本当に立派だった。
そして、自称兄弟達を見ると、ばつが悪そうな顔をしている。
居心地悪そうな彼らに鯛は言った。
「こんなに広い海で誰が王様とか関係ない。僕は君たちと泳いでいて楽しかった。さあ、一緒に泳ごう」
そして彼らは、また一緒に仲良く泳いでいった。
小話が終わったその直後、ラジオからは軽やかな女性パーソナリティの声で「今日の料理は鯛のカルパッチョです!」と。
実は、ラジオでは料理コーナーだった。
それを聞いていた私は、ラジオに向かって「オイ!」と手振り付きで本気で突っ込んでしまった。
(終)
怖い話かこれ?
牛肉のCMにコック服着た牛のキャラクター作って
「美味しいお肉をたくさん食べて!」
とか言わせる日本人の感覚、まさに狂気。
仲間の牛を人間に差し出す悪魔か!
みたいな恐さってこと?