作業に出向いた客先での不可解 2/2

玄関

 

「出掛けているんですかね?」

 

D「いや、でもロック開きましたし」

 

C「極度の人見知りで、

どっかに隠れているとか?」

 

D「隠れる所なんかないですよ?」

 

まあ、戻ってくるかも知れません。

 

しばらく待つことにします。

 

妙な出来事といえば、

妙な出来事ですが、

 

隣に行っているとか、

緊急の用事で近所に行っているとか、

 

そんな理由かも知れません。

 

まあ、ドアが開いていたのは妙ですが、

勝手にやってくれという事かも知れませんし。

 

10分ほど玄関前で待ちましたが、

Aさんが戻ってくる気配はありません。

 

D「勝手に始めるわけには

いかないんですか?」

 

「はい。

 

やはり、お客様の室内ですし、

何か問題があった時に困りますから、

 

お客様か、

お客様指定の立会い者、

 

または、

 

お客様から書面での委任状

のような物がないと、

 

勝手に作業をするわけには・・・」

 

D「まあ、常識的に考えれば

そうでしょうね」

 

・・・

 

D「ひょっとすると、

 

中で倒れているとか、

中に手紙があるかも知れませんし、

 

私、ちょっと上がってみます」

 

そう言ってDさんは、

 

D「Aさん、失礼いたします」

 

と、心持大きな声で言った後 、

部屋に上がりました。

 

が、やはり誰もいなかったし、

手紙や類する物もありませんでした。

 

なんだか気味が悪くなってきました。

 

Aさんの携帯に連絡しましたが、

 

部屋に置いてあるのか、

コール音が空しく鳴るだけです。

 

「何なんですかね、これ?」

 

C「さあ?」

 

D「何処へ行ったんでしょうね?

Aさん・・・」

 

何がなんだかわけがわかりません。

 

オートロックを解除した時までは、

Aさんは居たはずです。

 

しかし、

開け放たれた扉と、

 

運転しっぱなしのエアコンに、

起動したままのPC。

 

肝心のAさんは居ません。

 

まるで、

メアリー・セレスト号事件のようです。

 

メアリー・セレスト号(wikipedia)

 

C「警察呼んだ方がいいんじゃないのか?」

 

「いや、でも事件じゃないし・・・」

 

少々というか、

かなり奇妙な気分でしたが、

 

何時までも待っているのもなんなので、

 

建物自体への電話線の引きこみ口と

MDFという所を見るために、

 

私とCの二人は、

 

DさんをAさんの部屋の前に残して、

外回りとMDFの確認にいきました。

 

※MDF

主配線盤。電話設備のひとつ。

 

外を見る時、

それとなく3階のベランダを見ましたが、

 

ベランダの見える範囲には、

人影はありませんでした。

 

外回りとMDFを見たあと、

再びAさんの部屋の前へ。

 

しかし、

Aさんは戻って来ていないとの事。

 

結局30分近く待ちましたが、

Aさんは現れませんでした。

 

不在連絡を書いて、

それを靴箱の上に置き、

 

Dさんに携帯番号を教え、

何かあった時は連絡をしてもらう事にして、

 

現場を去りました。

 

妙な出来事に、

車内でその謎解きになりました。

 

変な人で、戸惑う我等の姿を

ビデオで撮っていたのではないか?

 

その意見を言ったCは、

それらしいものを目につく範囲で探したが、

 

カメラを隠せそうなものはなかったとのこと。

 

Dさんと話した時の話しでは、

 

近所付き合いをする様な

マンションではないとの事です。

 

(まあ、ワンルームなら

当然かも知れませんが・・・)

 

結局、

事務所に戻って処理をして、

 

その作業の受付をした部門に、

お客様不在の旨を連絡しました。

 

上司に一応相談しましたが、

 

この業界長い上司も、

そんな妙な出来事は初めてとの事でした。

 

その後、

Dさんから18時頃に連絡がありました。

 

Dさんは、

 

その後も2時間ほどAさんを待っていたが、

結局Aさんは現れなかったとの事。

 

勝手に扉を閉めるわけにもいかないので、

一筆書いてそのまま現場を去ったとの事。

 

妙な気分を通り越して、

なにやら背筋が寒くなりました。

 

翌日、翌々日と、

 

そのAさんに再作業の意思があるか

確認のためにも連絡を入れましたが、

 

応答はありませんでした。

 

その作業案件を受け付けた部門に

問い合わせたところ、

 

そこもAさんと連絡がつかない状態との事。

 

その作業案件は未だに『お客様連絡待ち』

という付箋が付いた状態で、

 

事務所の棚に置いてあります。

 

その出来事から2ヶ月ほど経っていますが、

Aさんからの連絡はありません。

 

もちろん受付部門にも。

 

(終)

 

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