怖話ノ館(こわばなのやかた)
2014-12-21 17:00 [謎怖 2巻]
ある村に、死を異常に恐れる男がいた。
特に男が恐れていたのは、
「自分が埋葬された後に、
棺の中で息を吹き返してしまうのでは?」
というものであった。
その男が病気の床にあるとき、家族全員に
棺の中に電話線を引いて欲しい、
息を吹き返したときに
確実に連絡が取れるようして欲しい
と遺言を残し、亡くなってしまった。
葬式の後すぐに、遺族の住む家に
奇妙な電話が入った。
内容は何を言っているのか聞き取れない上に、
ザーザーと混線しているような音が混じっていた。
家族は「いたずら電話だろう」
と思って電話を切ってしまった。
しかし、男にかわいがられていた孫だけは
「さっきの電話は、
おじいちゃんからの電話だよ!」
と言って聞かなかった。
最初は家族も、子供の戯言だろう
と思っていた。
だが、あまりに孫が譲らないので、
男性が死んでいることを納得させようと
墓を掘り返そうということになった。
結局、墓を掘り返したのは、
奇妙な電話を受けた5日も後のことだった。
棺を開けた遺族達は仰天した。
棺のふたには、
無数の引っかき傷が残っており、
男は家族全員を怨むような
怒りの表情のまま息絶えていた。
(終)
タグ:おじいちゃん, 怨み, 棺, 遺言, 電話
名前
上に表示された文字を入力してください。
Δ
特に注目度が高い過去の記事をピックアップしています。
(2024年9月)の新規投稿のうち、閲覧が最も多かったベスト5記事です。
先月(2024年12月)の新規投稿のうち、閲覧が最も多かったベスト5記事です。
新しい記事を投稿時にツイートでお知らせしています。
(2024年11月)の新規投稿のうち、閲覧が最も多かったベスト5記事です。
(2024年10月)の新規投稿のうち、閲覧が最も多かったベスト5記事です。
Copyright (C) 2025 怖話ノ館(こわばなのやかた) All Rights Reserved.
このページの先頭へ