まだ結核が死病だった戦前の話

結核菌

 

親戚から聞いた放置子にまつわる話。

 

それは、まだ結核が『死病』だった戦前での出来事。

 

ご近所に若夫婦と幼児がいて、家族全員が結核を患っていたそう。

 

病気で働けない若夫婦は子供が少しでも食べられるようにと、子供をご近所に放牧する。

 

そんな子供に来られるご近所は必死に断るが、若夫婦は毎日のように子供を寄こす。

 

病に感染するからその子供に寄ってはダメなのに、小さい子に「お腹が空いた・・・」と泣かれると、食べものを与える為につい近付いてしまう。

 

結果、その子供に寄られた家では結核感染者が出てしまい、ご近所では何人も亡くなってしまった。

 

お腹の空いた子供の面倒を見る善行をしたのに、親切が仇となってしまったと親戚は嘆いていた。

 

(終)

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One Response to “まだ結核が死病だった戦前の話”

  1. 匿名 より:

    放牧って…

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