人に取り憑いて衰弱死させる死霊

川辺

 

これは、知り合いの彼が体験した話。

 

お盆で田舎に帰った折、家族で川遊びに出かけた時のこと。

 

河原にシートを広げて、年長者はそこで食事を摂ったり休んだりしていた。

 

そして、小さな従姉妹の面倒を見るのは彼の役目だった。

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従姉妹が妙なことを言い出す

水に浸かって従姉妹の遊び相手になっていると、突然体から力が抜けた。

 

全身がひどく疲れた感じになり、立っているのも辛いほどだ。

 

動けなくなる前に、従姉妹の手を引いて一緒に川から上がることにした。

 

シートまで辿り着くと、大きな息を吐いて彼は倒れ込んだ。

 

家族が口々に、「どうした?顔色が悪いぞ?」と話しかけてくる。

 

答えるのも億劫になっていると、従姉妹がこちらを見つめながら妙なことを言い出した。

 

「お兄ちゃん、なんでそんなお婆ちゃんを背負っているの?」

 

なんでも、彼の背中には見覚えのないシワだらけの老婆がしがみ付いているのだと言う。

 

ギョッとして背後を確認したが、もちろん誰も背中には乗っていない。

 

その時、祖父が彼に向かって思い切り塩を振りまいた。

 

途端に体が軽くなり、あれだけあった疲労感が嘘のように消え去った。

 

同時に、従姉妹が目を丸くして大声を上げた。

 

「お婆ちゃん、消えちゃった!?」

 

驚いて言葉も出ない彼に向かい、祖父はこう述べた。

 

「カワミサキに憑かれたんだろうよ。人に取り憑いて衰弱死させるっていう、いわゆる死霊みたいなものだ。お前ら、今日はもう水に入るんじゃないぞ」

 

仕方なく、遊びの続きは河原ですることにした。

 

その後は帰宅するまで、誰もあの奇妙な疲労に襲われることはなく、無事に過ごせたそうだ。

 

(終)

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