数える度に変わる石段の数
これは、実家の”ある場所”にまつわる小話です。
実家はたいそう山奥の田舎にありまして、山に囲まれておりますが、近くに『金比羅神社』がございます。
我々地元民は「こんぴらさん」と呼んで親しんでおりますが、金比羅神社というのは、必ず高い山の上にあるものだそうです。
こちらの金比羅さんもご多分にもれず、何百という石段を登って行った山のてっぺんに鎮座されております。
ただ、その石段なのですが、なぜか正確な数が伝わっておりません。
「千を越えるぐらい」と言われておりますが、何故か数える度に段の数が違うのだそうでございます。
私も幼少時、幼なじみ達と何度も登っては数えたものですが、その数が一致したことがありませんでした。
大人が数えても同じなんだそうで。
万歩計などを使って計測する試みも過去にはあったそうですが、それでもやはり決して数が一致しないのだそうです。
でも、一致しないことが、かえって良いことらしいのです。
この辺り、何か謂われがあるのでしょうかね・・・。
追記
件のこんぴらさんは、香川県にある有名な象頭山の金刀比羅宮とは違い、どこか田舎の小さな神社の話です。
また、金比羅神社は日本全国に多数存在しています。
(終)