トラブルの多いカラオケボックスの一室

10年以上前の話です。

 

当時、私は流行り始めた

カラオケボックスの従業員。

 

従業員は店長を入れて8人。

部屋数は18。

 

コンテナ式のカラオケボックスで、 

広い駐車場のような敷地に

18個のコンテナが置いてあります。

 

最近のカラオケボックスに比べると

小規模な作りですが、

 

今では考えられないほど、

繁盛していました。

 

2~3時間待ちが普通。

システムは昔の100円1曲式。

 

開店12時~閉店26時まで、

非常に多くのお客で賑わってましたが、

 

何故かいつも決まった特定の部屋で、

トラブルが起こります。

 

トラブルの例としては、

お客同士の喧嘩や入室後のお客からの

部屋替えの希望。

 

部屋が気持ち悪い、

と言う人が多いです。

 

7号室と13号室にお客を入れると、

週に4~5回のペースで

こういった事が起きてました。

 

それで、私の体験なんですが、

時間的には23時過ぎ、

 

同僚のMが7号室の後片付けから

青い顔をして帰って来ました。

 

「外を見てくれ!7号室は何かおかしい」

 

私は訳が分からず、

7号室に向かいました。

 

受付から7号室までの距離は

30メートルぐらいで、

 

敷地内の一番端にあるのが7号室。

 

突き当たりの7号室のコンテナの後ろに、

(25歳位)が立っているのが見えました。

 

外は照明も少なく、

見通しも悪く、

 

部屋からお客が出て来て

外に立っているんだろうと考えましたが、

 

Mは後片付けの帰り。

 

男を見て少し考えていると、

血の気が引きました。

 

突き当たりの7号室は敷地の一番端、

隣にはマンションがあり、

 

7号室の壁とマンションの隙間は

10センチしかなく、

 

人間が入れる隙間は全くありません。

 

表現が難しいのですが、

建物の角から男が半分だけ顔を出して

覗いている感じです。

 

そんな事をしていると、

男は消えました。

 

消えると言うか、煙のような感じで。

 

少し疲れているのかと思いましたが、

Mと私の二人がこの男を見ています。

 

結局、この日は何もありませんでしたが、

あまりに気持ちが悪いので、

 

仕事が終わった後 スタッフ同士で

少し話しをして、事業部に報告することに。

 

その日から、特に何か起こることも無く、

報告した事業部も笑って、

この話は無かった事になりかけてたんですが、

 

数ヶ月後に大きな事件が起きました。

 

スタッフ4人が同じ日に、

事故に遭いました。

 

私は単車で転倒、

IさんとHさんは車で事故、

同僚のEは事故で亡くなりました。

 

たった一晩で、

4人のスタッフが怪我しました。

 

この事がきっかけで、

事業部が話をしてくれました。

 

その内容とは、

このボックスを建設した時に

地鎮祭を やってないらしく、

 

事業部の数人の方は

気になってたらしいです。

 

後から分かった話なんですが、

同僚のMは霊感が強く、

 

いつも何か気配を感じてたらしいです。

 

それ以来、人ではない者を

見ることは無いですが、

 

一体何を見たのか、

未だに分かりません。

 

(終)

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