危うく姥捨ての対象に

本当かどうか知りませんが、

私のおじさんから聞いた話です。

 

山道を車で走っていると、

 

どんどん道が細く、

両脇の草木がボウボウで、

 

荒れ放題の小道に

入っていったそうです。

 

真夜中だったらしく

ハイビームで通行していると、

 

時速10キロくらいじゃないと

危なくなるほどになってきました。

 

サイドミラーが両脇の草木に

触れるぐらいの狭さになり、

 

これ以上は進めない

と判断したらしく、

 

引き返すことにしました。

 

バックしようとルームミラーで

後ろを確認すると、

 

トランクの付近に、

 

5~6人の農民と思しき人が

立っていたそうです。

 

真夜中なのに、

 

こんなけもの道に

人がいるわけがないと思い、

 

幽霊だと直感したそうです。

 

そこで、

 

やはり前に進むしかないと思って、

前進しようとギアを変えた時。

 

ふとサイドミラーを見ると、

草木から出た数本の手が、

 

両サイドミラーをしっかり

握っていたそうです。

 

さらに次の瞬間、

 

アクセルを踏んでもないのに、

車が前に進み出したそうです。

 

どうやら、その手と

後ろの農民によって、

 

車を引きずられているらしいのです。

 

必死にブレーキを踏んだり、

バックしても無駄だったようです。

 

結局、

 

10メートル以上も引きずられ

車は止まり、

 

幽霊も消えたそうですが。

 

着いた場所、手付かずになった

祠みたいな所だったそうです。

 

その辺り一帯は昔、

 

姥捨ての習慣があったところ

だったらしいです。

 

そのおじさんは、

 

「きっと俺も捨てられそうになったんだ」

 

と、笑って話してくれました。

 

(終)

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