怖話ノ館(こわばなのやかた)
2016-5-6 08:30 [意味怖 16巻]
彼と初めての旅行です。
旅の疲れなのか、
彼の車で少し眠ってしまったみたい。
優しい彼は眠っている私に、
毛布をかけてくれていました。
彼の優しさに甘えて、
後部座席でニヤけながら、
もうちょっと眠ったフリをしてよっと。
ウフフフ。
どうやら車は目的地に到着したようです。
それでも眠ったフリを続ける私を、
そっと抱き起こして運んでくれる彼。
そこは素敵な森の中。
木の葉のベッドの上で、
まだまだ眠ったフリの私。
この状況は、
王子様を待つ白雪姫みたいです。
さあ、王子様、
早くキスをして。
そして、私の周りには、
たくさんの動物たちが集まってくる。
(終)
これは、
楽しい旅行の話ではない。
彼は語り手である彼女を殺し、
その遺体を人里離れた森に
埋めようとしているのだ。
彼女は意識朦朧となりながらも、
まだ生きているのか、
それとも幽霊となって
これらを感じているのか、
そのどちらなのかは分からない。
そして最後の一文。
『私の周りには、
たくさんの動物たちが集まってくる』
というのは、
メルヘンチック的な意味ではなく、
肉食系の動物が彼女の遺体を食べに
集まってきたということである。
タグ:彼女, 殺害, 遺体遺棄
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