未来への干渉

これは、数百年後の

未来のお話。

 

今から10年前に

タイムマシンが完成し、

 

それからの研究によって、

 

タイムマシンで行ける

過去と現在は、

 

同じ時間軸上にあることが

判明していた。

 

つまり、

 

過去へ干渉することは、

現在への干渉も意味するのだ。

 

国連大学の研究部に

勤務している男は、

 

古環境のデータ収集で

第四紀更新世へ、

 

調査に出かける事となった。

 

調査地へ赴いた男は

早速調査を始めたが、

 

途中で雪崩に遭い、

 

食料と調査機材を全て

無くしてしまった。

 

男は食料だけでも

雪から掘り起こそうともしたが、

 

丸2日探しても

見つけることは出来なかった。

 

しかし、

 

帰りのタイムゲートは

3日後まで開かない。

 

これまでは雪解け水で

なんとか凌いできたが、

 

このままではもう長くは

持たないだろう。

 

何か食料を見つけなければ。

 

そうしてうろうろ歩き回っているうちに、

1匹のウサギの死骸をみつけた。

 

助かった!

 

男は無我夢中でウサギにかぶりつき、

あっという間に平らげた。

 

生命の危機が去り、

冷静になった男は、

 

そこでふと、

ある規則を思い出した。

 

「いかなる理由があっても、

 

未来へ干渉を及ぼす生物への

接触また殺生は禁ずる」

 

だが、あのウサギは

すでに死んでいた。

 

未来への干渉にはならないだろう・・・。

 

そう自分に言い聞かせ、

男は雪穴を掘ってじっとしていた。

 

しかし、

しばらくして男は気づいた。

 

自分の体が消えかけているのを。

 

彼はその時、

やっと悟ったのだ。

 

(終)

解説

過去の先祖が一緒に

雪崩に遭った。

 

そして、ウサギを男が

食べることによって、

 

過去の先祖が食べる予定

だったものが無くなった。

 

つまり、

先祖は餓死した。

 

よって、

男の存在も消えることになる。

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One Response to “未来への干渉”

  1. 匿名 より:

    この手の話、無理があるんだよねぇ。

    その時、男がタイムトラベルでそその時代に現れることも
    そのウサギを食べることも

    織り込み済みで歴史が流れていて、その結果としてこの男が生まれたはずなので、そのウサギを食べたという行為は過去を改変することにはならない。よって消えるわけがない。

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