羽田発小松行きの便に搭乗していたはずが

飛行機

 

つい先月の話なのですが、

 

出張で羽田発小松行きの空路を

利用した時のことです。

 

この空路はわずか1時間で

到着してしまうので、

 

離陸と着陸時以外の

真っ直ぐに飛んでいる時間が、

 

30分ほどしかありません。

 

普段は搭乗中のトイレを

我慢しているのですが、

 

その日はどうにもお腹が痛く、

その30分の間にトイレへ行きました。

 

用を足し、

手を洗っていたところ、

 

突然『ガクン』と機体が下がり、

一瞬ゼロG状態に。

 

慌てて手摺りを掴んだので無事でしたが、

かなり大きなエアポケットのように感じました。

 

それにしては搭乗客のざわめきが

まったく無かったので、

 

少し奇妙に思えました。

 

トイレを出て座席に戻ると、

 

自分の座席にスーツ姿の男性が

座っていました。

 

この席は私の席だと告げると、

男性は自分の席だと言い張ります。

 

座席番号を確認しても間違いないので、

男性の座席票を確認すると、

 

なんと同じ番号が印字されていました。

 

困って立ち尽くしていると、

 

ドリンクサービス中の客室添乗員に

声をかけられたので、

 

事情を説明し座席票を渡しました。

 

客室添乗員は座席票を見比べながら、

 

「同じ番号ですね・・・

申し訳ございません」

 

などと言った直後、

えっ!?と驚いた顔をしました。

 

「すみません、確認しますので、

しばらくこちらの席でお待ち下さい」

 

と言われ、

空いていた座席に私は座り、

 

客室添乗員は小走りに前方へ

走り去って行きました。

 

ほどなくして、

ベルト着用の機内アナウンス。

 

座席はこのままでよいとしても、

 

仕事道具が詰まった

バッグのことが気掛かりで、

 

ひたすらそのことばかりを

考えていました。

 

と、再度の機内アナウンス。

 

「ご搭乗ありがとうございます。

 

当機は定刻通り8時○○分に、

羽田空港に到着の予定でございます」

 

・・・えっ?

 

一瞬、耳を疑う。

 

言い間違いか?

 

いや、

周りは動揺していない・・・

 

少し傾いた機体から、

外の様子が見えた。

 

そこからは、

 

見慣れた羽田空港周辺の

景色が見えました。

 

私は羽田発小松行きの便に搭乗中、

小松発羽田行きの便に乗り換えていました。

 

もちろん、

本当に乗り換えたわけではありません。

 

荷物だけはちゃんと、

小松空港に着いていました。

 

なぜそうなったのか?

原因は全くもって不明で、

 

航空会社の方でも

調べていただきましたが、

 

前例もなく、

 

正式な回答は差し控えさせてください、

とのことでした。

 

(終)

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