岩手県にある『慰霊の森』への肝試し

慰霊の森 岩手県

 

岩手県にある『慰霊の森』

 

昔に飛行機の墜落事故があり、

 

それ以降は心霊スポットとしても

有名になっている。

 

※慰霊の森

1971年7月30日、岩手県岩手郡雫石町の上空を飛んでいた全日本空輸の旅客機と航空自衛隊の戦闘機が接触し、墜落。その墜落場所に慰霊の森が建てられた。旅客機の乗客乗員162名全員が死亡し、戦闘機に乗っていた自衛隊員は脱出に成功し生還した。

 

これは、

俺の先輩が体験した話。

 

その人は、友人たちと集まって

飲んでいたそうだ。

 

しばらくすると夏だったせいか、

当然のように怖い話が始まり、

 

場を盛り上げていった。

 

すると友人の一人が、

 

「肝試しに行かないか?」

 

と提案し、

 

皆が怖い怖いと言いながらも

行くことに決まった。

 

行き先はもちろん『慰霊の森』。

 

知人は道中の車の中で、

 

さっきまで元気だった女の子の顔色が

悪いことに気がついた。

 

「元気ないな、大丈夫か?」

 

と訊いたが、

 

大丈夫だと言うことで、

そのまま向かった。

 

が、女の子の体調は悪化しているのが

目でもはっきり見て取れたが、

 

本人はあくまで大丈夫と言い、

そうこうしているうちに現地に着いたという。

 

車から降りて散策していると、

 

さっきの女の子が返答も出来ないほどに

容態が悪いことに気がついた。

 

皆で呼びかけるが、

 

しゃがみ込んでぐったりとしたまま、

まるっきり反応がない。

 

まずいから車まで連れて行こうとした時、

突然、女の子が顔を上げた。

 

誰の顔を見るわけでもなく、

じっと森の方を見ている。

 

「どうした?」

 

知人がそう訊こうとした次の瞬間、

 

女の子は森に向かって走り出し、

一本の樹の根元を掘り始めた。

 

それも素手で。

 

男が数人で止めに入るが、

 

女の子は依然として、

掘ることをやめようとしない。

 

全員怖がっていたが、

放置して逃げ帰ることも出来ないので、

 

力ずくで取り押さえ、

車まで引きずるように連れて行った。

 

車の後部座席に女の子を放り込むと、

途端に大人しくなった。

 

どうやら気絶したらしい。

 

そのまま病院へ直行し、

親御さんに連絡して事の詳細を伝えた。

 

そのうち夜が明けた。

 

翌日には女の子は回復して、

すっかり元気になり退院していったそうだ。

 

後日、女の子にその時のことを訊くと、

次のように話してくれたそうだ。

 

森に近づくにつれて体の具合が悪くなり、

 

森を散策していた頃には、

意識すら朦朧としていたらしい。

 

体調不良がピークに達し、

しゃがみ込むと、

 

皆が呼びかける声が聞こえるが、

とても答えれる状態でなかった。

 

すると突然、

 

頭の中に強いイメージとしか

言えないようなものを感じ、

 

ふと顔を上げた。

 

目線の先には樹が一本生えていて、

その根の辺りには、

 

手を取り合った悲しそうな顔をした男女が、

ぼぅっと立っているのを見た。

 

そして同時に「助けなければ!」と思い、

走ったところまでは覚えているという。

 

病院に連れて行かれたりしたことは、

全く覚えていないらしい。

 

ちなみに、

 

この話の当事者たち(女の子を含む)は、

今も元気に暮らしている。

 

(終)

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2 Responses to “岩手県にある『慰霊の森』への肝試し”

  1. ヤミヤミ より:

    あのー、今更なんですけどー…
    その写真に人と目写ってませんか?
    右下をズームしたら見えたんですけど…

怖話ノ館ブログ管理人 へ返信する

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