怖話ノ館(こわばなのやかた)
2016-8-21 08:30 [怖 66巻]
彼女が実際に体験した怖い話。
前の彼と日本海の某海水浴場に、
泊りで行った時のこと。
彼女は今でもそうなのだが、
男に腕枕をしてやるくらいの
性格スケールのでかいやつだ。
(体格はかなり細めの161センチ)
その時に泊まった旅館で、
元彼に腕枕をしてあげてたそうな。
そして夜中3時頃、
寒さと息苦しさで目が覚めた。
だけど、
体は思うように動かせなかった。
左腕に元彼の頭の感触があるのだが、
なぜか布団の外に放り出している右腕側にも、
腕枕をしている感触があったそうな。
彼女は声に出して元彼を起こそうとしたが、
まったく声にならず、
そのまま30分ほど動けなかった。
右腕には痺(しび)れがあり、
明らかに腕枕をしている感触だった。
そしてその何者かの物体は、
彼女の耳元で囁いた。
「熱い。苦しいんだよ。
背中が痛い・・・」
怖いながらも右を向くと、
しわくちゃの顔をした老婆が
同じように横になっていて、
じっとこちらを見ていた。
彼女は声にならない奇声をあげて、
元彼がその声で目覚めた。
部屋の明かりを点けると、
布団のすぐ脇の畳には、
べっとりと錆色のシミが出来ていた。
旅館の女将に訊いてみると、
昔、その部屋があった付近に、
老婆が病に侵され寝たきりになっていた。
結核のような病気だったので、
周りからは隔離されていたという。
そのまま咳の声が消えると共に、
夏の暑い日に天に召された。
(終)
タグ:体験談, 幽霊, 旅館, 老婆, 腕枕
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