怖話ノ館(こわばなのやかた)
2014-12-21 16:00 [怖 9巻]
あるカップルが車で夜の山道を走っていた。
しかし、しばらく走っていると
道に迷ってしまった。
カーナビもない車なので、
運転席の男は慌てた。
だがその時、寝ていたと思った
助手席の彼女が「そこを右」などと、
道を案内し始めたのだ。
「なんだ、道知ってるのかよ」
と思った彼だが、
助手席から聞こえてくる彼女の
案内に従って山道を走り始めた。
「そこを左」
「その道入って」
など、彼女の案内は続いた。
彼は安心して運転をすることができた。
そして、「そこを左に曲がって」
彼はハンドルを切って左に曲がった。
「!!!!」
彼は急ブレーキを踏んだ。
左に曲がったすぐ先は崖となっていた。
落ちたら命はなかったろう。
「なんでこんな道を教えたんだ!」
彼は助手席の彼女に怒鳴った。
「死ねばよかったのに・・・」
寝ている彼女の口から、
低い男の声が聞こえた。
(終)
タグ:カップル, カーナビ, 夜, 山道, 車
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