出来るはずのない影に気づいた

幽霊に直接会った事は無いんですが、

試験勉強中の話です。

 

私は試験勉強を、

昼間にはあまりしません。

 

夜の10時以降から始めて

明け方までやる、

と言うのが普通でした。

 

その日も、夜中の2時くらいまで

机の小さな明かりだけ点けて、

一夜漬けに勤しんでいました。

 

特に何も考えず、

黙々とペンを走らせていたのですが、

 

ふっと左の壁の方から、

嫌な感じがしました。

 

私はペンを止め、

パッと左側の壁をみると、

そこには天上まで届く巨大な影が・・・

 

私は、「・・・何だよ自分の影か、

ビビらすなよ」などと思いながら

勉強を再開しました。

 

ところが、5分くらい経ってから

気付いてしまったのです。

 

明かりは、左から右方向に

照らしていたので、

左側に影が出来るはずはないと言う事に。

 

その事実に気付いて、

もう一度左側の壁を見ると、

そこには何もありません。

 

ただ静かに、白い壁が

自己の存在を主張をしていました。

 

(終)

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