妹と二人で夜のドライブしていたら

妹とドライブした時の話。

 

夜、私は何故か、

 

外に出掛けたくなる衝動に

駆られる時がある。

 

そんな時は決まって、

 

妹を連れて私の運転で

ドライブに出掛ける。

 

別に目的地はなくて、

 

知らない道を走るのが

好きだった。

 

その行く先々で、

 

気になる店や場所があると、

立ち寄ったりする訳だが・・・。

 

その時は、広く大きな

公園が目に入り、

 

行ってみる事にした。

 

車から降りて公園の中を

探索していると、

 

キレイにライトアップされた

大きな橋が見えてきた。

 

橋の下は大きな川。

 

橋の大きさは、

およそ100メートル位。

 

「キレイだね~。

今度は彼氏と来よう♪」

 

「だね~。

凄いキレイ」

 

「そぉだ!

写真撮ってあげるよ♪」

 

橋を渡りながら、妹が写真を

撮ってくれる事になった。

 

「ハイ!チーズ♪」

 

写った私の顔は、

ブレてグチャグチャ・・・。

 

「あ~ぁ、ダメじゃん(笑)

 

「・・・おかしいなぁ。

消しとこっ」

 

橋を渡りきると、

向こう側は真っ暗。

 

街灯一つ無く、

 

あるのは背の高い文字盤の

光る時計のライトだけ。

 

何故だか不穏な空気に、

二人とも固まる。

 

「なぁ、なんかヤバくない?」

 

「うん、なんか・・・」

 

どこから途もなく、

 

オルゴールの様な音が

鳴り始める。

 

よく見れば、橋の脇に

スピーカーが付いていて、

 

そこから流れているらしい。

 

しかし、

 

音が鳴り始めてから

鳥肌が止まらない。

 

しかも全身ではなく、

足だけ。

 

「・・・ヤバイ。

ヤバイヤバイヤバイ」

 

妹は急に私の腕を掴んで、

橋を引き返していく。

 

ひたすら前だけを見て、

早足で。

 

私は後ろを振り向いた。

 

向こう側からライトが

消えていっている。

 

無我夢中で妹を

逆に引っ張り、

 

猛ダッシュ。

 

元の場所に戻り、

もう一度橋を見ると、

 

音は鳴っているが、

電気は全て点いている。

 

「・・・なんで?」

 

「何が?」

 

「なんでもない・・・

 

なんかさ、

コッチに戻って来る時さ、

 

足の鳥肌が止まらな

かったんだよね(笑)

 

「あぁ~

やっぱり気付いた?

 

アレね、橋の下から

這い出してたもん

 

なるほどね、何が?

とは聞けなかった。

 

むしろ、想像がついたので

聞かなかった。

 

後で知った事が二つある。

 

一つ目は、

あのオルゴールの音。

 

閉園時間になると、

鳴り出す音らしい。

 

閉園時間は、21時。

 

二つ目は、

 

消したはずの写真が、

保存されて残っていた事。

 

二つ目は妹のミスかも知れないが、

ここで一つ謎が残ってしまった。

 

私達が橋を渡って見た、

時計の文字盤。

 

音楽が鳴り始めた時間は、

20時45分なのだから・・・。

 

(終)

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