人気のない山奥でのキャンプにて

キャンプ

 

これは夏の出来事。

 

学生だった俺達は、

 

夏休みに男5人でキャンプに行こう、

という事になった。

 

ボロボロのワンボックスカーで、

●●県にある山へと向かったが・・・

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逃げるようにその場所から離れる事に・・・

道中にキャンプ場はいくつもあったが、

酒を飲んで騒ぐことが目的だったので、

 

周りに他のキャンプ客のいない

山奥の河原にテントを張った。

 

(当然、民家も無い)

 

誰に気を遣うことなく、

 

BBQを食いながらビールとワインを飲んで

ドンチャン騒ぎをした。

 

俺達の声以外には、

川の音と虫の鳴き声しか聞こえない。

 

深夜になるとみんな酔っ払って、

誰からともなくテントで寝だした。

 

俺も寝ようとテントに入ったが、

山の夜は寒くて寝れたもんじゃなかった。

 

俺はテントで寝るのを諦め、

車で寝ることにした。

 

後部座席をフルフラット(ベッド状態)にして

毛布を被って寝ていると、

 

後部座席のドアを外から『コンコン』と、

誰かがノックした。

 

(テントで寝ていた誰かが、

寒くなって避難して来たんだな)

 

と思いながら、

スライドのドアをガララと開けた。

 

その瞬間、

 

幼稚園児ぐらいの男の子が一人、

車内に入ってきた。

 

「!!!!!!」

 

俺はビックリして、

車の一番後ろまで転がった。

 

車内に入ってきた男の子は

後部座席から運転席に移動し、

 

シートに立ってオモチャの車で遊ぶように

ハンドルを動かしている。

 

こんな山奥に・・・

こんな小さな子供がいるわけない!

 

俺はハッチバックを内側から開けて、

外に転がり出て裸足で河原まで走っていき、

 

テントで寝ていた4人を叩き起こすと、

今起こった事を半泣きで説明した。

 

「寝ぼけてたんじゃないのか?」

 

と、友人の一人が言った時、

 

ビーーーーーーーッ!!

ビビーーーーーーーーッ!

 

と、俺達の車のクラクションが鳴った。

 

「これは、やばいな・・・」

 

震えた声で一人がそう言った。

 

俺達はテントの中で、

夜が明けるのを無言で待った。

 

クラクションが鳴ったのは、

その2回だけだった。

 

30分ぐらい経った頃、

イライラしだした友人の一人が、

 

「幽霊か何か知らないけど、

こういう時は弱気になったらダメなんじゃね?

 

子供なんだろ?

 

“どこか行け!”って怒鳴ったら

消えるんじゃないか?」

 

と言い出した。

 

・・・その時だった。

 

テントの入り口から男の子が

ヌッと中に入ってきて、

 

「おまえたちがどこかいけ」

 

と無表情で言った。

 

そこからの記憶が全く無い。

 

気付くと朝になっていて、

逃げるようにその場所を離れた。

 

(終)

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3 Responses to “人気のない山奥でのキャンプにて”

  1. こう より:

    これはマジで怖い…

  2. 速攻の炎術師 より:

    ぶん殴ってやればいいんじゃないかな?

  3. 匿名 より:

    ロリばばあならぬショタじじいと言う言葉が浮かんだ。

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