前の住人宛ての同じ封書が毎日届くので

手紙

 

去年、東北地方のレオパレスに引っ越した時のことです。

 

最初に部屋に入った時、数通の郵便物がポストの下にありました。

 

それは前の住人宛てのもので、名前は『斉●●子』さんとなっていました。

 

郵便物はダイレクトメールがほとんどでしたが、その中に同じような『白い封書』がいくつかあり、差出人は新興宗教のような名前の団体からでした。

 

ハガキで届いていたダイレクトメールの内容から、前の住人は若い女性のようでした。

 

封書を開けて中を見るのも悪いと思い、後で返却しようととりあえず保管することにしました。

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配達をしないように頼んだ4日後の夜・・・

しかし、部屋に入居した翌日も、同じ白い封書が投函されました。

 

不気味なことにそれは毎日届き、2週間以上も続きました。

 

こうなると恐ろしくなり、郵便局に電話をして住んでいる人間が変わったことを伝え、配達をしないように頼みました。

 

これで『斉●●子』さん宛ての郵便物は差出人に返送されることになるそうです。

 

その後、3日間は何事もなく過ぎました。

 

しかし4日目の深夜1時頃、いきなり玄関のドアをガンガンと強く叩かれ、同時に狂ったようにドアホンを何度も鳴らされました。

 

ちょうど布団に入ったところでしたが、思わぬ事態に私は飛び起きました。

 

部屋にはカメラ付のドアホンが付いていたので、慌てて外を確認しました。

 

・・・が、誰も居ません。

 

その間も、ドアを叩く音やドアホンの音は鳴り続けていました。

 

結局、その夜は布団を頭から被って過ごし、朝まで一歩も動けませんでした。

 

そして翌日、レオパレスセンターに飛び込み、すぐに部屋を替えてもらいました。

 

そこで聞いたところ、前の住人はレオパレスに退出の連絡が無く、期限が来たので部屋を確認しに行ったらもぬけの殻だったそうです。

 

ちなみにですが、その『斉●●子』さん宛ての郵便物はまだ持っています・・・。

 

(終)

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