OKと繰り返すだけのコックリさん

小学生の頃、

学校でコックリさんをやりました。

 

当時、テレビは勿論、

 

コロコロコミックなどの児童雑誌でも、

怪談話が山のように掲載されていました。

 

そんなこんなで

色々と知識をつけ、

 

当然の流れのように

皆でやってみよう・・・となりまして。

 

同じ飼育係だった

J君、Nちゃん、Fちゃん、

 

そして私の計4人。

 

不謹慎にもウサギ小屋のすぐ横で、

コックリさんを開始したのでした。

 

4人の人差し指を

十円玉に乗せ、

 

「コックリさん、コックリさん、

おいでください」

 

と言うだけの、

聞きかじりの簡単な儀式を行うと、

 

すぐに変化が現れました。

 

みんな、ただただはしゃいで、

色々と質問を繰り返しました。

 

「J君の好きな人は誰だ?」と聞けば、

『FとN』と返ってくるような、

 

その程度の

くだらないものばかりです。

 

でも、質問を繰り返していくうちに、

ひとつ気になることが出てきました。

 

このコックリさん、

 

『はい』か『いいえ』で答える質問をすると、

なぜか必ず『OK』と選ぶのです。

 

文字板にはひらがなと

アルファベット、

 

さらに数字の他に、

『はい』と『いいえ』もあるのに。

 

どういう訳か、わざわざ

アルファベットを2文字に架けて、

 

『OK』と選びます。

 

その時はまだ、

 

ハイカラなコックリさんだなぁ、等と、

みんなで笑っていられました。

 

そうこうするうちに日も暮れ始め、

質問することも無くなったので、

 

そろそろコックリさんにも

帰って頂くことにしました。

 

「コックリさん、コックリさん、

鳥居よりお帰り下さい」

 

『OK』

 

しかし、十円玉は

OとKを選んだ後、

 

鳥居のマークには行きません。

 

「お帰りになられましたか?」

 

『OK』

 

「本当にお帰りになられましたか?」

 

『OK』

 

「帰ってください」

 

『OK』

 

何を言っても帰ってくれず、

ただ『OK』と繰り返すだけのコックリさん。

 

OとKを移動する速度は

ドンドン加速していき、

 

やがては質問をせずとも

『OKOKOKOKOKOK』と、

 

勝手に移動を繰り返すほどに。

 

私たちはパニックに陥りました。

 

女の子2人は泣き出し、

Jも私も半泣きでした。

 

Jが声を震わせながら、

「もう離そうぜ」と私たちに提案し、

 

私の掛け声で同時に

手を離すことにしました。

 

「いっせいのーせ」

 

みんな手を離しました。

私以外の全員。

 

なぜか私だけ、

 

金縛りにあったかのように、

手が離せなかったのです。

 

私の指はまだ、

 

『OKOKOKOKOKOK』と、

目まぐるしく動き回っていました。

 

さすがに私も泣き出してしまい、

 

「何なんだよ!?」とか、

そのようなことを、

 

半狂乱で叫んだのを

覚えています。

 

私にとって、洒落にならないくらい

怖い思い出です。

 

『OKOKOKOKOKOKOKOKOK』

 

(終)

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One Response to “OKと繰り返すだけのコックリさん”

  1. にゃんころ より:

    NG

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