怖話ノ館(こわばなのやかた)
2015-5-10 08:00 [怖 22巻]
うちには1歳8ヶ月になる
息子がいます。
最近言葉が増えて、
「でんしゃ、くるま、じいじ、ばあば」
などが言えるようになりました。
4歳になるお姉ちゃんと
一緒に出掛けた時のことです。
近所のお寿司屋さんの
前を通ると、
「ワンワン、ワンワン」
と言うのです。
子供の視界から見える所に
いるんだろうと思い放っておくと、
お寿司屋さんを過ぎたら
何も言わなくなりました。
それから幾度となく、
その場所を通る度
と言います。
それも、お寿司屋さんの
前だけ限定。
他の人に話すと信じてもらえませんが、
一緒に行くと納得してくれます。
想像する通り、
そのお寿司屋さんには
犬がいました。
毎日、店主の奥さんと一緒に
店に来ては、
店が閉まるまで
店先で待っていました。
穏やかな犬で、
私の息子が産まれた頃には
かなりの年寄りになって、
立ってるのもやっと、
という感じでした。
店の人や、
誰か通りかかると、
気丈にしっぽを
振っていましたが、
いつのまにか姿を
見せなくなりました。
下の子には、
御主人を待ってるあのワンコが
見えてるんだろうなと、
なんとなくしみじみしています。
(終)
タグ:お寿司屋, 息子, 犬, 軒先
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